知名町(読み)ちなちよう

日本歴史地名大系 「知名町」の解説

知名町
ちなちよう

面積:五三・二九平方キロ

沖永良部おきのえらぶ島の西部に位置する。北西部は和泊わどまり町と接する。町域の中央部にあるふう(二四五メートル)が最高所で、隆起珊瑚礁による平坦な段丘が続く。海岸部は北に田皆たみな岬があるほかは単調で、入江は少ない。河川は南東部の余多あまた川などで、長く湧水などに依存してきた。県道の沖永良部循環線(知名―沖永良部空港線・国頭―知名線・下平川―内城線)などが通り、知名漁港からは奄美海運によって徳之島・大島・鹿児島方面などと結ばれる。

町域では二四ヵ所の考古遺跡が発見されているが、その多くが海岸部や丘陵先端部、鍾乳洞内などの湧水点の周辺に立地している。屋子母の植村やこものういむら集落中央部の小高い丘陵上にあり、無文の土器破片と砂岩質の石斧・槌石などが出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「知名町」の意味・わかりやすい解説

知名〔町〕
ちな

鹿児島県南部,奄美群島に属する沖永良部島の南西部を占める町。1946年町制。おもな産業はサトウキビ栽培で,エラブユリやフリージアなどの花卉栽培,タバコ・野菜栽培,肉牛飼育も盛ん。大島紬,黒糖焼酎を特産する。島の最高点大山(246m)の周辺には大小多数のドリーネ,鍾乳洞(石灰洞)があり,観光資源が豊富。なかでも延長 2kmもある昇竜洞は最大。かつては鍾乳洞内の地下水を飲料水としていたが,1966年以後簡易水道の設備が整備された。町域の一部は奄美群島国立公園に属する。面積 53.30km2人口 5750(2020)。

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