デジタル大辞泉
「如何様」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いか‐さま【如何様】
- [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 状態、方法などについて疑問の意を表わす。どのよう。どんなふう。
- [初出の実例]「何方(いかさま)に 思ほしめせか つれもなき 真弓の岡に 宮柱 太敷きいまし」(出典:万葉集(8C後)二・一六七)
- 「この女君、いみじくわななき惑ひて、いかさまにせむと思へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
- [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 「いかさまにも」の略から )
- ① 自分の考えや叙述、推測などのたしかさを表わす語。きっと。たしかに。どう見ても。てっきり。
- [初出の実例]「いかさま是は祇といふ文字を名について、かくはめでたきやらむ」(出典:高野本平家(13C前)一)
- 「いかさま、是は平家の公達ぞと思ひ、押双て無手とくむ」(出典:虎明本狂言・青海苔(室町末‐近世初))
- ② 意志の強さを表わす語。ぜひとも。なんとしても。
- [初出の実例]「常の衣にあらず、いか様とりて帰り古き人にも見せ、家のたからとなさばやと」(出典:光悦本謡曲・羽衣(1548頃))
- [ 3 ] 〘 感動詞 〙 相手の意見を肯定して感動的に応答することば。いかにも。そのとおり。ほんとに。なるほど。ごもっとも。
- [初出の実例]「さりとも、きらるるまでは有まじ。誰々も、よきやうに申なしたまはば、いかさま、とほき国にながしおかれぬとおぼえたり」(出典:曾我物語(南北朝頃)三)
- 「『定て汝が行くで有う』『いか様(さま)、誰彼といふて外に人も御ざらぬに依て〈略〉』」(出典:虎寛本狂言・素襖落(室町末‐近世初))
- [ 4 ] 〘 名詞 〙 いかにも本当らしく見せかけたもの。似せたもの。ごまかし。いんちき。〔和玉篇(15C後)〕
- [初出の実例]「いかさま国となんいへる所に至れば此国の人寄集(よりあつまり)、舟に乗りて」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)四)
いか‐よう‥ヤウ【如何様】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 )
- ① 物事の状態、程度、方法などを疑い問う意を表わす。いかなるさま。どのよう。どんなこと。どのくらい。どれほど。
- [初出の実例]「抑(そもそも)、いかやうなる心ざしあらん人にか、あはんとおぼす」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- 「行燈の燈(どん)とは何様(イカヤウ)な燈だ」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)四)
- ② 物事の状態、程度などのはなはだしさを強調する意を表わす。どのよう。どれほど。
- [初出の実例]「あなおほけな。又いかやうに限りなき御心ならむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
- ③ 物事の状態を不定のままにいう。どういうさま。どのよう。
- [初出の実例]「何様(いかやう)にても我が子は被噉(くらはれ)なむずるにこそ有けれ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二九)
いかが‐さま【如何様】
- 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「さま」は接尾語。「いかが[ 一 ]③」をていねいにいう語 ) どのようなご様子。どんなおかげん。また、商品などをていねいにすすめる語。「ご病状はいかがさまですか」
- [初出の実例]「『モシ親方ァ車は如何様(イカガサマ)で』『小哥(わっち)は車を挽て居るんだ』」(出典:落語・素人人力(1893)〈三代目三遊亭円遊〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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