横様（読み）ヨコサマ

デジタル大辞泉

よこ‐さま【横様／横^▽方】

［名・形動］《「よこざま」とも》
１ 横の方向。横向き。また、そのさま。「―に倒れる」
２ 道理に合わないこと。また、そのさま。非道。「―な要求」
[類語]（1）横・左右・横向き・水平／（2）不正・不当・邪・いんちき・いかさま・非

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

よこ‐さま【横様・横方】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )( 後世は「よこざま」とも )
2. ① 横の方向。横向き。また、そのさま。あるいは、かたわら。脇。
   1. [初出の実例]「皇后〈略〉武内宿禰(たけうちのすくね)に命(みことのり)して、皇子(すめみこ)を懐(いた)きて、横(ヨコサマ)に南海(みなみのわた)より出(い)でて紀伊水門(きのくにのみなと)に泊(とま)り」(出典：日本書紀（720）神功摂政元年二月（北野本訓）)
   2. 「その指を焼鳥の串でも食べるように唇で横ざまにしごいてなめた」(出典：蘭を焼く（1969）〈瀬戸内晴美〉)
3. ② 普通ではないこと。正しくないこと。道理に合わないこと。非道。
   1. [初出の実例]「諸の善人に於ては、横(ヨコサマ)に毀謗を生せり」(出典：西大寺本金光明最勝王経平安初期点（830頃）三)
   2. 「いかにかかる悪人をば横(ヨコサ)まには救ひ給ふぞ」(出典：米沢本沙石集（1283）二)

横様の補助注記

元来は「よこさ」に接尾語「ま」の付いたもので、「さま」は「とさまかくさま」の「さま」とは異なり、「様」や「方」はあたらないとする説もある。

出典　精選版 日本国語大辞典