世界経済見通し(読み)せかいけいざいみとおし

共同通信ニュース用語解説 「世界経済見通し」の解説

世界経済見通し

国際機関が定期的にまとめている経済成長率予測改定を含め年4回示す国際通貨基金(IMF)は9日発表した最新の見通しで、2019年の世界全体の実質経済成長率を3・3%と試算。昨年10月以降3回連続で引き下げ、金融危機後の10年以降で最低水準になると見込んだ。米国との貿易摩擦に伴う中国経済の減速や、ドイツを中心とした欧州停滞要因。ただ中国の景気刺激策や米国の金融引き締め休止で19年後半から持ち直し、20年は3・6%になるという。(ワシントン共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界経済見通し」の意味・わかりやすい解説

世界経済見通し
せかいけいざいみとおし

世界経済についての中長期的な予測のこと。国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)、国際復興開発銀行(世界銀行)、国際連合国連)などの国際的な機関が定期的に発表している。実際には各国政府や中央銀行、また民間のシンク・タンク等でも定期的に発表している。たとえば日本政府においても「経済見通しと経済財政運営の基本的態度(政府経済見通し)」で、日本銀行においても「経済・物価情勢の展望展望レポート)」で世界経済を見通してはいる。しかし、国際機関以外が主体の場合には、当該予測にさまざまな思惑が入り込む可能性がある。そこで中立性の観点から前記のような国際機関が発表する予測を利用することが多い。

 以下ではおもな国際機関の予測について概観する。

(1)IMF「World Economic Outlook(WEO)」 毎年2回、通常は4月と10月に、世界経済に関する中期的な予測を発表している。なお、1月および7月にデータを更新したアップデート版を発表している。

(2)OECD「OECD Economic Outlook」 毎年2回、6月ころと11月ころに、OECD加盟34か国個別の経済予測を中心に世界全体の中長期的な経済見通しを発表している。

(3)世界銀行「Global Economic Prospects」 毎年2回、1月と6月に世界経済の中長期的な経済予測を発表している。ここでは各国・地域ごとの見通しのほか、先進国や開発途上国などとグループ分けし、それぞれについても経済予測を行っている。

(4)国連「World Economic Situation and Prospects」 毎年1回、1月に世界経済の中長期的な経済予測を発表している。ここでは各国・地域ごとの見通しのほか、先進国や開発途上国などとグループ分けし、それぞれについても経済予測を行っている。なお、5月にデータを更新したアップデート版を発表している。

[前田拓生 2016年3月18日]

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