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経済予測 けいざいよそく

世界大百科事典 第2版の解説

けいざいよそく【経済予測】

経済量が将来とる値を予測することを目的とする経済予測なるものは,予測を行う際の予測期間の点から,短期予測,中期予測,長期予測に区分される。予測期間は,短期予測では3ヵ月ないし1年前後,中期予測では3~6年,長期予測では10~15年にとられるのが普通である。予測対象となる経済量としては,生産,雇用などはどの期間の予測にも共通して重要なものであるが,概して短期予測では資本ストック生産能力は外生的与件として,物価,利子率,マネー・サプライ為替レート国際収支といった,価格的指標ないし財政・金融面の指標が重要な予測対象となるのが普通である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

経済予測
けいざいよそく
economic forecasting

消費、投資、輸出、輸入、物価などの経済現象のある特定の側面、あるいはそれらのすべてを包含した経済全体の動きについて、将来時点あるいは特定の条件を設定したときに現出すると考えられる状態を定性的あるいは定量的に予測すること。
 予測の目的は、一般に、行動を決定する際に役だつ情報を得ることにあり、このことは経済予測においても同様である。すなわち、各消費者や企業は、それぞれの消費態度や生産計画を決定するにあたって、物価の動きや需要動向などを予測することが必要となり、政府においては、予算の立案あるいは公共財の供給計画を含む経済政策全般の策定などに際して、経済全体のメカニズムの把握と同時に、それに基づいた具体的な数量的予測情報を必要とする。このように各種の方面で必要とされる予測のうち、ある程度確立された経済理論に基づき、あるいは一定の確立された予測手法に従って、現実経済の動きから収集されたデータを基礎的な資料として行われるものを、一般に経済予測とよんでいる。
 予測手法としては、(1)予想調査、(2)時系列分析、(3)計量経済モデル、などが一般的である。予想調査による予測は、消費者や企業の個別経済主体や特定分野の専門家に対して、ある特定条件の下や将来における態度や状況に関する個々の行動予想や想定を、アンケート方式などにより直接に調査し、その調査結果に基づいて予測をたてる方法である。家計の消費行動や企業の設備投資行動、あるいは産業技術の動向などを予測する際に、この方法が用いられることが多い。時系列分析による予測は、経済要素間の相互依存関係を明示的に考慮しない点では予想調査による予測と同じであるが、その手法は、過去の現実のデータの動きを基本的情報として用い、その動きを分解、集計などの手続を経て外挿することによって予測するものである。移動平均法やディフュージョン・インデックス法などがこれに属する。以上の2手法に対して、計量経済モデルによる予測は、経済現象の背後にある経済諸要素間の因果関係を経済理論に基づいて数量モデルとして把握し、現実経済の動きから得られる各種のデータを用いて統計的に推定された構造方程式に基づいて行うものであり、その点で、経済体系内で動く経済量を予測する手法としては、もっとも科学性の高いものといわれている。しかし、この手法も、構造推定技術上の問題や推定された経済構造の安定性などの点から、とくに中長期の予測力に難点が認められている。[高島 忠]

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