中ノ浜遺跡(読み)なかのはまいせき

日本歴史地名大系 「中ノ浜遺跡」の解説

中ノ浜遺跡
なかのはまいせき

[現在地名]豊浦町大字川棚 中ノ浜

ひびき灘沿岸の川棚かわたな川の河口に接し、北方へ広がる標高五メートルばかりの砂堆にある弥生時代の前期を主とする埋葬遺跡。昭和三五年(一九六〇)より通算八次にわたる発掘調査が行われた(「山口県中ノ浜遺跡略報告」考古学雑誌・第一四巻第四号)。県指定史跡。

埋葬方式は、弥生前期前半の砂壙の頭部側に壺を副葬する葬法に始まる。前期の後半には箱式石棺墓と壺棺墓が営まれているが、この期には前者が卓越し、一部は中期から後期に及んでいる。壺棺墓には、石蓋の合口や単棺などがみられる。

箱式石棺は石棺の外部施設として、蓋石を厚く砂で覆い、その上に板石を敷き並べて墓標としたものもある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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