中尾城跡(読み)なかおじようあと

日本歴史地名大系 「中尾城跡」の解説

中尾城跡
なかおじようあと

[現在地名]長与町丸田郷 中尾

丸田郷まるたごうの南部に築かれた中世の城の跡。「大村郷村記」によれば、中尾の古城は高さが麓より七〇間ほどで、四方は険阻とし、元禄旧記には頂上本丸は東西五〇間・南北一〇間ほどで、西方空堀、北麓に切通しがあり、天文年間(一五三二―五五)頃に長与権之助が築城したと伝える記載があるという。遺構の北、丸田郷なかばらの長与の寺屋敷五輪塔群(県指定史跡)に明徳二年(一三九一)から天文一〇年にわたる紀年銘の墓碑が所在することも、長与氏の勢力形成を想定するうえで貴重であろう。

中尾城跡
なかおじようあと

[現在地名]木更津市中尾

小櫃おびつ川左岸に開析した谷津奥の北に張出した丘陵全体に占地する。南北九〇〇メートル・東西四〇〇メートルほどの城域。史料的には真里谷武田氏の内紛をモデルに近世初頭に書かれたと思われる「なかおおちのさうし」(中尾落草紙)が唯一である。城跡の規模は県内有数といえるが、城郭遺構は人為的な腰曲輪状の平場群のほかには堀切が二条ほど認められるにすぎない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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