中札内(読み)なかさつない

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中札内」の意味・わかりやすい解説

中札内(村)
なかさつない

北海道中南部、十勝(とかち)総合振興局管内の村。帯広(おびひろ)市の南に接する東西に細長い村で、札内川の流域を占める。村名はアイヌ語「サチナイ」(乾いた川の意)に由来。国道236号が通じる。国鉄広尾線が通ったが1987年(昭和62)廃止、バスに転換した。1897年(明治30)富山、石川、福井県の移住者で開拓され、1947年(昭和22)大正村(現、帯広市)から分村。酪農畑作の村で、1経営体当りの耕地面積は約45ヘクタール、農業経営の共同化、集団酪農、有機農法が推進されている。農用地約7100ヘクタールは畑で、サトウダイコンテンサイ)、豆類、ジャガイモを栽培する。乳牛は約7300頭(2015)。養鶏養豚も行われる。面積292.58平方キロメートル、人口3884(2020)。

[進藤賢一]

『『中札内村史』(1968・中札内村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「中札内」の意味・わかりやすい解説

中札内[村] (なかさつない)

北海道南東部,十勝支庁河西(かさい)郡の村。人口4006(2010)。十勝川支流の札内川中・上流域を占め,西部には札内岳(1896m)をはじめ,日高山脈の山々がそびえる。国道236号線が通じる。1897年から開拓が始まり,1929年の広尾線開通(現在は廃線)後,急速に人口も増加した。札内川中流沿いには肥沃平地が広がり,十勝平野の畑作地帯の一角をなす。農業の法人化を早くからとり入れ,農業生産の団地化など協業経営が盛んである。豆類,テンサイ,ジャガイモなどを産し,酪農,養鶏,養豚などの畜産が行われる。とくに酪農は大規模草地育成牧場の造成により,効率的な経営が行われている。札内川上流,南札内渓谷のピョウタンの滝にはキャンプ場などがある。
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