六訂版 家庭医学大全科 の解説
中枢神経原発悪性リンパ腫
ちゅうすうしんけいげんぱつあくせいリンパしゅ
Primary central nervous system lymphoma
(脳・神経・筋の病気)
どんな病気か
頭のなかだけにできた悪性リンパ腫です。まれな
症状の現れ方
転移性脳腫瘍とほとんど同じで、けいれん、麻痺、感覚障害、人格変化、精神症状、ふらつきなどが出ます。また腫瘍が大きくなると、頭痛、吐き気、嘔吐などの頭蓋内圧が高くなった時の症状が現れます。
検査と診断
MRI検査で腫瘍の診断をします。この腫瘍は脳の表面や髄液がつくられる脳室と呼ばれる場所の近くによくできます。多発することもあります。確定診断には、腫瘍を診断目的のために一部切除する、生検術と呼ばれる手術が必要です。
またほかの場所に悪性リンパ腫がないかどうかを調べるために、全身の詳しい検査が行われます。
治療の方法
手術で徹底的に切除する方法よりも、薬物の点滴による化学療法や放射線治療のほうが、確実な治療効果を得ています。治療は生検術で悪性リンパ腫と診断したあと、ただちにロイコボリン救援メソトレキセート大量療法と呼ばれる化学療法を行います。場合により放射線療法が追加されます。
松前 光紀
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報