中諦(読み)チュウタイ

デジタル大辞泉 「中諦」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐たい【中諦】

仏語天台宗で説く三諦の一。すべての存在は一面的ではなく、言葉思慮対象を超えた中正絶対なものであると説く。

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精選版 日本国語大辞典 「中諦」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐たい【中諦】

〘名〙 (「諦」は真理の意) 仏語。天台宗の教義で、三諦(さんたい)一つ。一切の諸法は、実体のない空無のものとしてのあり方(空諦)、縁によって仮に存在するものとしてのあり方(仮諦)の二面を有するが、真実は、それらを包み超えた中正絶対のものであるとする考え方
※歩船鈔(1362)本「中諦といふはこの三千の諸法を非有非空と観ずるなり」

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中諦」の解説

中諦 ちゅうたい

観中中諦(かんちゅう-ちゅうたい)

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世界大百科事典(旧版)内の中諦の言及

【山王神道】より

…しかし大山咋神は元来比叡山の地主神(じぬしがみ)であったので天台宗徒は宗派の守護神と仰ぎ,唐の天台山の守神たる地主山王に擬し,この神を山王と称し天台神道の主神とした。 山王神道の中心思想は山王の2字を天台宗の三諦円融観をもって説明するもので,三諦とは仮諦・空諦・中諦を指す。仮諦とは万法妙有,空諦とは諸法真空,中諦とは諸法実相非有非空を指し,円融観からすれば三諦は一つである(三諦即一)と説かれる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」