二面(読み)フタオモテ

デジタル大辞泉 「二面」の意味・読み・例文・類語

ふた‐おもて【二面/両面】

表と裏の二つの面。うらおもて。
「時雨ふる児手柏このてがしはの―とてもかくても濡るる袖かな」〈新千載・雑上〉
表裏のある心。ふたごころ
「それは―にて、心ねぢけたる人にたとへし忌み言なり」〈読・春雨・血かたびら〉

ふた‐おも【二面/両面】

ふたおもて」に同じ。
奈良山児手柏このてかしはの―にかにもかくにも佞人かだひととも」〈・三八三六〉

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精選版 日本国語大辞典 「二面」の意味・読み・例文・類語

ふた‐おもて【二面・両面・双面】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 表面と裏面の二つの面。うらとおもて。ふたおも。
    1. [初出の実例]「時雨ふる児手柏の二おもてとにもかくにもぬるる袖哉〈土御門院〉」(出典:新千載和歌集(1359)雑上・一八〇六)
  3. 二心があること。ふたごころ。ふたおも。
    1. [初出の実例]「それは二おもてにて、心ねぢけたる人にたとへし忌こと也」(出典:読本・春雨物語(1808)血かたびら)
  4. ( 双面 ) 浄瑠璃歌舞伎所作事の演出の一つ。二人の人物が同一姿で現われ、のち一方が亡霊や変化(へんげ)の正体を現わすというもの。能「二人静(ふたりしずか)」による。安永四年(一七七五)江戸中村座初演の「垣衣恋写絵(しのぶぐさこいのうつしえ)」(常磐津。初世河竹新七作)で形式を整え、天明四年(一七八四)大坂角の芝居で「隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)」の大切の浄瑠璃となった。現存曲では、「両顔月姿絵(ふたおもてつきのすがたえ)」がある。

に‐めん【二面】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 二つの面。また、物などの二つの側。
    1. [初出の実例]「呉公二面 一面、桐、白、在赤紫綾山形、押金銅裁物鳳鸚並雲形緑」(出典:西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)一二月二五日)
  3. 物事などの二つの側面観点
    1. [初出の実例]「このころの人の歌ざま、二面に分れたり」(出典:無名抄(1211頃))
  4. 二番目の面。特に新聞紙の第二面。一般に、国内の政治経済が扱われている。
    1. [初出の実例]「新聞を一枚出して〈略〉披(ひろ)げて二面(メン)の電報欄を指した」(出典酒中日記(1902)〈国木田独歩〉五月八日)

ふた‐おも【二面・両面】

  1. 〘 名詞 〙ふたおもて(二面)
    1. [初出の実例]「奈良山の児手柏(このてがしわ)の両面(ふたおも)にかにもかくにも佞人のとも」(出典:万葉集(8C後)一六・三八三六)

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「二面」の解説

ふたも【二面】

岡山日本酒。酒名は、所在地の古称「二面ごおり」にちなみ命名大吟醸酒純米吟醸酒吟醸酒純米酒、本醸造酒、普通酒がある。平成7年(1995)岡山県杜氏自醸品評会で40年連続優等賞受賞の功績が認められ、県下初の鳳凰賞受賞。原料米は山田錦アケボノ。仕込み水は足守川の伏流水。蔵元の「板野酒造本店」は明治3年(1870)創業。所在地は岡山市北区大井。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「二面」の解説

二面
(通称)
ふたおもて

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
二面在姿絵
初演
文化13.9(江戸・河原崎座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「二面」の解説

二面(ふたも)

岡山県、株式会社板野酒造本店の製造する日本酒。大吟醸酒、純米吟醸酒などのほか、古酒や生酒がある。

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