日本歴史地名大系 「中野町村」の解説 中野町村なかのまちむら 静岡県:浜松市旧長上郡・豊田郡地区中野町村[現在地名]浜松市中野町天竜川の右岸に沿い、東は立野(たての)村飛地長森(ながもり)(現豊田町)、北は一色(いつしき)村・大明神(だいみようじん)村など、西は安間(あんま)村。豊田郡に属する。森(もり)町三倉(みくら)の薬師堂が所蔵する鰐口の銘文に、宝徳三年(一四五一)八月一日付で「池田庄中町屋郷六所大明神」とみえ、中世は池田(いけだ)庄に属した。東海道が東西に通り、天竜川の渡河地であったことから街道に沿って家並を形成していた。そのため町の名がつき、中野町屋・町屋・中野町などともよばれたという。「東海道中膝栗毛」に「此所は江戸へも六十里、京都へも六十里にて、ふりわけの所なれば、中の町といへるよし」とある。「遠江国風土記伝」が古老の言として昔は正北一〇町ほどの所に集落があったが、東海道が開削されて南に移居したと伝えているように、集落は新たに形成されたとみられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by