主基(読み)スキ

精選版 日本国語大辞典 「主基」の意味・読み・例文・類語

すき【主基・次】

  1. 〘 名詞 〙 ( 次(つぎ)の意で ) 天皇の即位後はじめて行なう大嘗祭(だいじょうさい)神事に用いる新穀、酒料を献ずるため諸国のうち二つの国郡を卜定した、その第二にあたる国郡またその斎場。第一は斎忌(ゆき)。主基殿。しゅき。
    1. [初出の実例]「斎忌は〈斎忌、此をば踰既と云ふ〉則ち尾張国の山田郡、次(スキ)は〈次、此をば須岐と云ふ〉丹波国の訶沙郡、並に卜に食(あ)へり」(出典:日本書紀(720)天武五年九月)

主基の補助注記

「すき」を「次」の意とするについては、「古事記」や「万葉集」に「手次」を「たすき」の借訓に用いた例によっている。


しゅ‐き【主基】

  1. 〘 名詞 〙すき(主基)
    1. [初出の実例]「十一月は大嘗会とて、しも月八日女工所はじめとて、ゆうきしゅきにてつくるが」(出典:中務内侍(1292頃か)正応元年一一月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の主基の言及

【大嘗祭】より

…これらによる大嘗祭の大略は次のようである。(1)即位の年の4月,悠紀(ゆき)国・主基(すき)国(悠紀・主基)の卜定。(2)大嘗祭の年8月,大祓(おおはらえ)。…

【悠紀・主基】より

…〈ゆき〉は斎忌,由基,〈すき〉は次,須伎などとも記す。悠紀国,主基国の斎田の新穀が,それぞれ大嘗宮の東の悠紀殿,西の主基殿で神饌に供された。悠紀・主基の国郡は卜定によって選ぶのが原則で特定されていなかったが,平安中期以降は悠紀は近江国,主基は丹波国と備中国が交互に選ばれ,郡のみが卜定された。…

※「主基」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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