久貝村(読み)ふがむら

日本歴史地名大系 「久貝村」の解説

久貝村
ふがむら

[現在地名]平良久貝くがい

下里すんだてい村の西に位置し、南は松原まつばら村に接する。北部は平良ぴいさら内海に、西部は与那覇ゆなぱ湾に臨む。下地すむず間切に属する。松原村とともにかつては野崎ぬざきい村で、後代に至るまで野崎二ヵ村などと称された(雍正旧記)。松原に近くクガイブサギというミャーカ(石塚)があり、一六世紀前後宮古の支配者であった仲宗根豊見親の室ウツメガの父親である赤宇立大親の墓所と伝え、一四世紀後半の遺跡を伴う。忠導氏正統家譜では赤宇立大親は野崎村の人とも松原村の人とも記される。プー(豊年祭)・リューグーガン(竜宮御拝)・ユークー(世乞い)などの祭祀が松原村と共同で行われる。万暦三七年(一六〇九)の島津氏侵攻の頃、宮立大屋のマリモイが頭に従って首里に上ったが、頭が不祥事を起こしたため追放となり、職を失った。そのとき八重山の頭が乗った船の船頭が病死したため代わって八重山に渡ったところ、帰唐船が漂着したので案内者となって首里に上った。この功で八重山の大城与人となり、さらに宮古の与那覇与人に配された。大城与人のとき宮古の子に材木を送り、家を新築させたという(宮古島記事)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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