大屋(読み)たいおく

精選版 日本国語大辞典 「大屋」の意味・読み・例文・類語

たい‐おく‥ヲク【大屋】

  1. 〘 名詞 〙 大きな家屋建物
    1. [初出の実例]「知抜敦(チバトン)(垤盆舎府下ノ地名)に大屋ありて、即ち昔日(そのかみ)獣毛を治る工場なりしが」(出典西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐襄公九年〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大屋」の意味・わかりやすい解説

大屋
おおや

兵庫県北西部、養父郡(やぶぐん)にあった旧町名(大屋町(ちょう))。現在は養父(やぶ)市の南西部を占める一地区。1955年(昭和30)大屋、口(くち)大屋、南谷、西谷の4村が合併して町制施行、大屋町が成立。2004年(平成16)八鹿(ようか)、養父、関宮(せきのみや)の3町と合併、市制を施行して養父市となる(なお、この合併により養父郡は消滅)。旧大屋町の名称は、『和名抄(わみょうしょう)』の大屋郷に由来し、旧町域は円山(まるやま)川の支流大屋川上流の深い山谷に立地する。西の鳥取県境には兵庫県最高地点の氷ノ山(ひょうのせん)(1510メートル)がある。但馬牛(たじまぎゅう)、ブロイラー飼育のほか、シイタケ、クリ、カキを産する。明延鉱山(あけのべこうざん)は古くからの鉱山で、錫(すず)、亜鉛、銅などを産出した(鉱山は1987年に閉山、跡地は学習施設として活用)。「大杉ざんざこ踊」は太鼓踊の一種で国の選択無形民俗文化財。「口大屋の大アベマキ」「樽見(たるみ)の大ザクラ」は国の天然記念物。また、加保坂(かぼざか)峠にはミズバショウ公園があり、ミズバショウの自生地として国内の南西限となっている(県指定天然記念物)。

[吉田茂樹]

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百科事典マイペディア 「大屋」の意味・わかりやすい解説

大屋[町]【おおや】

兵庫県北西部,養父(やぶ)郡の旧町。中心は円山(まるやま)川支流の大屋川と明延(あけのべ)川の合流点にある大屋市場。ほぼ90%が山林で占められ,木材,シイタケ,野菜などを産する。但馬(たじま)牛も飼育。南部に明延鉱山があった。2004年4月養父郡八鹿町,養父町,関宮町と合併し,養父市となる。138.29km2。4771人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大屋」の意味・わかりやすい解説

大屋
おおや

兵庫県中北部,養父市の南西を占め,円山川の支流大屋川が流れ,中国山地に属する但馬高原が広がる地区。旧町名。 1955年口大屋 (くちおおや) ,大屋,南谷,西谷の4村が合体し町制。 2004年月八鹿,養父,関宮の3町と合併し市制。ほとんどが山地でスギ,ヒノキを産する。南東部にある明延鉱山は日本を代表するスズの産地として知られていたが,1987年閉山。北西端の氷ノ山の東麓一帯は氷ノ山後山那岐山国定公園に属し,その山腹の西谷にある天滝は落差 98mで県内一。但馬山岳県立自然公園にも属し,樽見の大ザクラ,口大屋の大アベマキは国の天然記念物。

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普及版 字通 「大屋」の読み・字形・画数・意味

【大屋】たいおく

高大な家。

字通「大」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の大屋の言及

【地主】より

…ただし,近世の地主は自作部分を内包した地主手作り経営という性格をもっているのが一般的である。 近世の地主は地頭,田主,大屋,親方,親作,地親などと呼ばれた。ところで,地主は小作人から小作料を徴収する小作経営だけでなく,酒屋,油屋,紺屋などの農村工業をはじめ質屋,穀屋,旅籠などの金融・流通業を兼営し,村方の再生産に深く浸透している。…

※「大屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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