日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊良部」の意味・わかりやすい解説
伊良部
いらぶ
沖縄県宮古(みやこ)郡にあった旧町名(伊良部町(ちょう))。現在の宮古島市の西部を占める。旧伊良部町は1982年(昭和57)町制施行。2005年(平成17)城辺(ぐすくべ)町、下地(しもじ)町、上野(うえの)村、平良(ひらら)市と合併、宮古島市となった。旧伊良部町は宮古島の西方にある伊良部島と下地島(面積9.68平方キロメートル、2022年(令和4)3月時点の住民登録人口92)からなり、2島は6本の橋で結ばれている。宮古島―伊良部間は船で15分。サトウキビ栽培を中心とした農業が盛んである。佐良浜(さらはま)は第二次世界大戦前から遠洋カツオ漁業の基地として有名。下地島空港があり、同空港は日本初のジェット機のパイロット訓練飛行場である。2022年現在、羽田、成田、神戸、那覇、香港(ホンコン)の各空港との間に定期便が就航している(香港便は運休中)。国指定名勝・天然記念物の通り池、県指定天然記念物の国仲御嶽(くになかうたき)の植物群落がある。サシバの飛来地としても知られる。
[堂前亮平 2022年10月20日]
『『伊良部村史』(1978・伊良部村)』