乗地(読み)ノリジ

デジタル大辞泉 「乗地」の意味・読み・例文・類語

のり‐じ〔‐ヂ〕【乗(り)地】

調子に乗ること。調子に乗ってしゃべること。
少し―に声をはずますれば」〈一葉われから〉
乗り気」に同じ。
「父が…余り―になったもんだから」〈木下尚江良人の自白
謡曲で、大ノリ拍子に合わせてうたう部分
浄瑠璃歌舞伎で、三味線旋律にのせて調子よくせりふや詞章を語ること。また、その語る部分。

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精選版 日本国語大辞典 「乗地」の意味・読み・例文・類語

のり‐じ‥ヂ【乗地】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 謡曲の拍子の一つ。大乗(おおのり)の拍子に合わせてうたう部分。神・幽霊などの登場や舞事の後などにうたわれる。
  3. 浄瑠璃や歌舞伎などで三味線の旋律に乗せて、せりふや詞章を律動的に語ること。また、その調子よく語る部分。一般に語り物などで、律動的に、調子よく語る部分もいう。
    1. [初出の実例]「くゎいらいし箱をたたくがのり地也」(出典:雑俳・柳多留‐四(1769))
  4. 調子づくこと。調子に乗ってしゃべること。
    1. [初出の実例]「くらしやうがねへのなんのと、少し乗地(ノリヂ)でいふから」(出典洒落本・遊婦里会談(1780))

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