九山八海(読み)クセンハッカイ

精選版 日本国語大辞典 「九山八海」の意味・読み・例文・類語

くせん‐はっかい【九山八海】

  1. 仏教の世界観で考える小宇宙。須彌山(しゅみせん)を中心とし、鉄囲山(てっちせん)外囲とする、山、海の総称。中央の須彌山と外囲の鉄囲山と、その間にある持双山、持軸山、担木山、善見山、馬耳山、象鼻山、持辺山の七金山を数えて九山とし、九山の間にそれぞれ大海があるとする。海は七海内海で、八功徳水をたたえ、第八海が外海で鹵水海、この中の四方に四大陸が浮かび、われわれはその南の大陸(南閻浮提)に住むという。
    1. [初出の実例]「所期の浄土は、須彌山の九山八海を密厳道場とする也」(出典:覚海法橋法語(12C終‐13C前))
    2. [その他の文献]〔仏祖統紀‐三一〕

きゅうせん‐はっかいキウセン‥【九山八海】

  1. 須彌山(しゅみせん)およびその周囲にある八山、八海の総称。くせんはっかい。
    1. [初出の実例]「世界起の九山八海、これ古仏の日面月面なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)古仏心)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む