八つ(読み)ヤツ

デジタル大辞泉 「八つ」の意味・読み・例文・類語

や‐つ【八つ】

数の名。はち。やっつ。
8歳。
昔の時刻の名。今の午前2時および午後2時ごろ。やつどき。→お八つ
数が多いこと。や。「八つ裂き」「八つ当たり」
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ九つとお

やっ‐つ【八つ】

やつ」の音変化。「ななつ、八つ、ここのつ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「八つ」の意味・読み・例文・類語

や‐つ【八つ】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「つ」は接尾語 )
  2. 数の名。一の八倍の数。はち。やっつ。物の数や順番を数えるのに用いる。また、数の多いこと。
    1. [初出の実例]「こもりくの 初瀬(はつせ)の川の 上つ瀬に 鵜を八頭(ヤツ)(かづ)け 下つ瀬に 鵜を八頭(ヤツ)潜け」(出典:万葉集(8C後)一三・三三三〇)
  3. 人の年齢の呼び方で、八歳。
    1. [初出の実例]「次の君は八ばかりにていとらうたげに姫君にもおぼえたれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
  4. 中古から近世へかけての時刻の呼び方で、今の午前二時頃または、午後二時頃をさす。丑(うし)または未(ひつじ)の刻に当たるので、「丑八つ」「未八つ」と区別することもある。八つ時。
    1. [初出の実例]「時は八になりぬ、道はいとはるかなり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)

八つの補助注記

現代語の「やっつ」は江戸時代に「やつ」から生まれた形。


やっ‐つ【八つ】

  1. 〘 名詞 〙 「やつ(八━)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「六つ武蔵弁慶は押への役、八つ槍持挟箱」(出典:浄瑠璃・源氏冷泉節(1710頃)下)

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