乳糜尿(読み)ニュウビニョウ

デジタル大辞泉 「乳糜尿」の意味・読み・例文・類語

にゅうび‐にょう〔‐ネウ〕【乳×糜尿】

尿が脂肪を多く含んで乳白色に濁った状態リンパ管閉塞などが原因となって生じる。

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精選版 日本国語大辞典 「乳糜尿」の意味・読み・例文・類語

にゅうび‐にょう‥ネウ【乳糜尿】

  1. 〘 名詞 〙 乳糜が混入して白濁した尿。多く住血糸状虫症の時にみられる。
    1. [初出の実例]「小水の通利に於ても亦これを三種に分つなり、曰く尿崩、曰く多尿、曰く乳糜尿是なり」(出典:西説内科撰要(1792)二八〇章)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「乳糜尿」の意味・わかりやすい解説

乳糜尿
にゅうびにょう

リンパ液が混入して白く濁った尿をいう。リンパ管、とくに胸管部に通過障害があったり、泌尿器系リンパ管が破れてリンパ液が腎盂(じんう)や尿管内に入ると、尿に混じって乳糜尿になる。脂肪の多い食物をとると、乳糜尿は著明になる。原因はフィラリア症による胸管の閉塞(へいそく)がもっとも多く、そのほか縦隔洞部の腫瘍(しゅよう)、動脈瘤(りゅう)による胸管の閉塞、腎や尿管あるいはその周辺の腫瘍、炎症などである。乳糜尿は米のとぎ汁状と形容されるが、血尿が混じると小豆(あずき)とぎ汁状と表現される乳糜血尿になる。乳糜尿は線維素尿を合併するので、フィブリン(線維素)塊が膀胱(ぼうこう)や尿路中に生じて排尿困難をきたすこともある。放置すると、低栄養状態になってしまう。

[河村信夫]

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