亀池(読み)かめいけ

日本歴史地名大系 「亀池」の解説

亀池
かめいけ

[現在地名]海南市阪井

阪井さかいの谷を北に望む丘陵の間にある溜池で、東北を亀の川が、西南日方ひかた川が流れる。宝永七年(一七一〇)溝口みぞのくち村に生れた井沢弥惣兵衛によって築造されたもので、堤に建つ碑文によれば、面積一〇町、その灌漑面積三二五町に及ぶという。県下でも有数の灌漑池である。亀の川の上流より樋によって水を引き、下流域の水田へ配水した。坂井岡田おかだ且来あつそ多田おおた、および毛見けみ内原うちはら本渡もとわたり紀三井寺きみいでら薬勝寺やくしようじ仁井辺にいべ小瀬田こぜた(現和歌山市)の一一ヵ村、水掛高六千二〇〇石余にのぼる。井沢弥惣兵衛は後に八代将軍徳川吉宗に仕え、関東の見沼みぬま用水路の開削を担当した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「亀池」の解説

亀池

和歌山県海南市にある溜池。県下最大級の溜池で、堤長約98メートル、貯水量約54万トン。江戸時代紀州藩の命により、紀州流土木工法の始祖と呼ばれる井沢弥惣兵衛の指揮のもと、わずか3ヶ月の期間で築造されたと伝わる。池の中島には紀州徳川家別邸「双青閣」が移築され、多目的広場も整備されている。和歌山県内で唯一農水省の「ため池百選」に選定されている。

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