本渡(読み)ホンド

デジタル大辞泉 「本渡」の意味・読み・例文・類語

ほんど【本渡】

熊本県西部、天草あまくさ諸島にあった市。平成18年(2006)3月、周辺9市町と合併して天草市となる。→天草

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精選版 日本国語大辞典 「本渡」の意味・読み・例文・類語

ほんど【本渡】

  1. 熊本県、天草上島下島にまたがる地名陸上海上交通の中心で、鎌倉時代は天草氏が地頭に任ぜられ、その根拠地となる。天草へのキリスト教伝道の拠点で、千人塚などキリシタン史跡に富む。昭和二九年(一九五四)市制。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本渡」の意味・わかりやすい解説

本渡
ほんど

熊本県南西部、天草諸島(あまくさしょとう)の天草上島(かみしま)と天草下島(しもしま)にまたがった旧市名(本渡市(ほんどし))。現在は、天草市の中央部を占める地域。旧本渡市は1954年(昭和29)本渡町と亀場、本(ほん)、櫨宇土(はじうと)、佐伊津(さいつ)、楠浦(くすうら)、志柿(しがき)、下浦の7村が合併して市制施行。1957年宮地岳(みやじだけ)村を編入。2006年(平成18)牛深(うしぶか)市、有明(ありあけ)町、御所浦(ごしょうら)町、倉岳(くらたけ)町、栖本(すもと)町、新和(しんわ)町、五和(いつわ)町、天草町、河浦(かわうら)町と合併、天草市となった。本渡の名称は、中心地区町山口の鎌倉時代の古称、本砥(ほんど)によったといわれる。旧市域は、本渡瀬戸を挟み天草上島西部と天草下島東部に及び、両島は天草瀬戸大橋などで結ばれる。島原湾に注ぐ小河川流域、さらに海岸部の江戸時代からの埋立地を除けば、そのほとんどが標高500メートル以下の古第三紀の堆積(たいせき)岩からなる小地塊山地である。1873年(明治6)天草郡役所が富岡町(現、苓北(れいほく)町富岡)から町山口(現、天草市本渡)へ移ってのち、天草の北の玄関としての地位から天草の政治、経済、交通、文化の中心地としての性格を強めた。天草五橋開通(1966)後は、海上交通網の要(かなめ)としての地位は衰えたが、1974年本渡瀬戸に天草瀬戸大橋が開通し、天草上島・下島の周遊道路である国道266号、324号の交差地として新たな中心性を帯びた。とくに島外商業資本の進出は目覚ましく、これに刺激された地元商店街の充実とも相まって、天草両島の商圏を掌中に収める勢いにある。伝統的主幹産業である農業、漁業はともに零細で、農業は水稲、ポンカン栽培と黒毛和牛飼育に、漁業はハマチ、クルマエビ養殖に活路を求めている。また五橋開通とともに、キリシタン殉教の遺跡、遺物を軸に観光開発も推し進められ、歴史民俗資料館、天草郷土資料館、天草海底自然水族館ほか観光施設の多様化にも努めている。町山口川に架かる祇園橋(ぎおんばし)(江戸時代に築かれた石造桁橋)は、国の重要文化財に指定されている。

[山口守人]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「本渡」の意味・わかりやすい解説

本渡
ほんど

熊本県南西部,天草市中部の旧市域。天草諸島上島下島にまたがる。 1954年本渡町と佐伊津村,本村,亀場村,櫨宇土村,楠浦村,志柿村,下浦村の7村が合体して市制施行。 1957年宮地岳村を編入。 2006年牛深市,有明町,御所浦町,倉岳町,栖本町,新和町,五和町,天草町,河浦町の1市8町と合体して天草市となる。中心市街地の本渡は下島の北東岸にあり,鎌倉時代に天草氏が居城してから天草の一中心地となった。近世初頭にはキリシタン布教の中心となり,天草学林 (コレジヨ ) が置かれた。島原の乱ののちまもなく天領となったが,1873年郡役所が移されて以来,再び天草諸島の行政,経済,交通の中心地となった。 1966年天草五橋の開通と道路整備により,別府-阿蘇-天草-雲仙の観光コースが完成。天草市立天草切支丹館,殉教戦千人塚,殉教公園,天草海洋レジャーランドなどがあり,観光都市として発展している。祇園橋は国の重要文化財。旧天草教育会館 (本館,正門,塀) は国の登録有形文化財。沿岸ではタイ,ハマチ,エビ,真珠などの養殖,丘陵地ではミカン栽培が行なわれる。

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百科事典マイペディア 「本渡」の意味・わかりやすい解説

本渡[市]【ほんど】

熊本県天草諸島の旧市。1954年市制。本渡瀬戸をはさんで天草上島・下島両島にまたがる。下島北東岸の中心市街はかつて天草氏の城下町で,水俣市からの航路,熊本市からのバスが通じ,天草の交通・経済・観光の中心をなす。米作のほかポンカンを多産,畜産,タイ・クルマエビ・ブリ養殖も行われる。陶器水平焼を特産。キリシタン布教の一中心であったため,その遺跡が多い。2000年3月,天草空港完成。2006年3月,牛深市,天草郡有明町,御所浦町,倉岳町,栖本町,新和町,五和町,天草町,河浦町と合併し市制,天草市となる。144.69km2。4万429人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「本渡」の意味・わかりやすい解説

本渡 (ほんど)

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