事後設立(読み)じごせつりつ

精選版 日本国語大辞典 「事後設立」の意味・読み・例文・類語

じご‐せつりつ【事後設立】

  1. 〘 名詞 〙 会社の成立後に、営業用として予定しておいた財産を会社が有償で取得すること。株主総会または社員総会特別決議を必要とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「事後設立」の意味・わかりやすい解説

事後設立
じごせつりつ

会社が、その成立後2年以内に、成立前から存在する財産で事業のために継続して使用すべきものを、純資産額の20%を超える対価で取得する契約をすること。たとえば、商業施設の開発を行うA社とB社が発起設立によりスポーツ施設の開発を行うC社を設立し、会社成立後2年以内に、A社とC社の間で、A社が所有する土地をC社の純資産額の20%を超える対価をもって取得する契約を締結するような場合である。財産が過大評価されて財産の実際の価値よりも高い価格を支払うことになると、会社設立の当初から会社の財産的基礎が害されてしまう。また、現物出資財産引受けの厳格な規制を潜脱する方法として、会社の成立後に特定の財産の譲渡契約が締結されることを防止するため、事後設立を行うには、株主総会の特別決議を要するものとした(会社法467条1項5号、309条2項11号)。

[戸田修三・福原紀彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「事後設立」の意味・わかりやすい解説

事後設立 (じごせつりつ)

会社の成立前から存在する財産で会社の営業のために継続して使用する予定のものを,会社成立後会社が譲り受ける契約をすること。この契約は会社成立後2年内で,その財産が資本の20分の1以上に当たる対価で取得する契約をなす場合には,株主総会または社員総会の特別決議を必要とする(商法246条,有限会社法40条3項)。なお財産引受け,事後成立と同様に少額の場合の調査免除の規定適用がある(商法246条3項)。
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