日本大百科全書(ニッポニカ) 「五ヶ瀬」の意味・わかりやすい解説
五ヶ瀬(町)
ごかせ
宮崎県北西部、西臼杵郡(にしうすきぐん)にある町。西は熊本県に接する。1956年(昭和31)三ヶ所(さんかしょ)村、鞍岡(くらおか)村が合併して町制施行。五ヶ瀬川の源流部にあたり、町名は川名にちなむ。九州山地内にあり、五ヶ瀬川は蘇陽(そよう)峡などの深い峡谷をなす。国道218号、265号、503号が通る。近世は延岡藩(のべおかはん)領。山村であるが、林産物のほかに、茶、ピーマン、トマトなどの栽培や畜産も盛んである。中心地は五ヶ瀬川沿いの鞍岡と三ヶ所川沿いの三ヶ所に分かれ、両者は熊本県山都(やまと)町の中心地馬見原(まみはら)を経由して結ばれている。なお鞍岡は、源氏の那須大八郎(なすのだいはちろう)が平氏の残党を討つために椎葉(しいば)に入る際この地まで馬できて鞍を置いて歩いたという伝説があり、鞍置が鞍岡になったという。祇園山(ぎおんやま)(1307メートル)は古生代化石産出で知られる。「五ヶ瀬の荒踊(あらおどり)」は国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ(国連教育科学文化機関)無形文化遺産。ハイランドスキー場は日本最南端にある天然スキー場として知られる。面積171.73平方キロメートル、人口3472(2020)。
[横山淳一]