五部(読み)ゴブ

大辞林 第三版の解説

ごぶ【五部】

小乗仏教の各部派で、律の漢訳された法蔵部・説一切有部せついつさいうぶ・化地部・大衆部だいしゆぶ、戒本のみ訳された飲光部おんこうぶをいう。それぞれの律は四分律・十誦律・五分律・摩訶僧祇まかそうぎ律・解脱げだつ律。五部律。小乗五部。
密教で金剛界を五つに分けたもの。仏部・金剛部・蓮華部・宝部・羯磨かつま部の総称。

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精選版 日本国語大辞典の解説

いつ‐とも【五部】

〘名〙
① 五種類。
天孫の饒速日命(にぎはやひのみこと)が高天原から天降った時、供奉(ぐぶ)したという五つの部民。「先代旧事本紀‐天神本紀」に、物部、笠縫部、為奈部、十市部、筑紫弦田物部の五部と伝えている。

ご‐ぶ【五部】

〘名〙
五つの部類。
仏語。密教で、主として金剛界の諸尊を五種に分類したもの。如来部(仏部)・金剛部・宝部(摩尼部)・蓮華部・羯磨(かつま)部(迦嚕摩部)の五つ。大日五仏の内証である五智を表わし、五仏を部主とし、如来部は大日、以下順に阿閦(あしゅく)・宝生・彌陀・不空成就に配する。
③ 仏語。仏滅百年後、小乗仏教で戒律問題から分裂した五派。曇無徳部・薩婆多部・彌沙塞部・迦葉遺部・婆麁富羅(ばそふら)部の五派。五部律。

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世界大百科事典内の五部の言及

【百済】より

…これらの運営には貴族の合議制・請負制をとっていた。戦時体制が強化されると,王都を五部に分け,各部に貴族を配置するとともに,それぞれ兵500人をおいた。地方は軍政色のきわめて強い行政制度で,全国を五方にわけ,各方の所在地を方城,長官を方領,副長官を方佐といった。…

【五族・五部】より

…五族の有力者たちが高句麗の貴族となり,王の廃立など国政を貴族会議で決定し,貴族はそれぞれ部内を統率し,私兵を擁していた。427年平壌に遷都すると,五族は内・東・西・南・北の五部,あるいは黄・前・後・左・右の五部と改称した。この改称を貴族勢力の衰退,王を中心とした中央集権の確立とみる説が有力であるが,貴族の構成員の変動と,貴族による中央集権の強化とみるのがよかろう。…

【五方・五部】より

…百済は王都を泗沘(しひ)(忠清南道扶余)に移すと,三国対立の激化に備えて,王都と地方の政治体制を軍政化した。王都を上・前・中・下・後の五部あるいは中・東・西・南・北の五部に分け,各部をさらに五巷(坊)に区分し,各部を軍政の単位とし,各部に500人の軍隊をおいた。また地方を五方に分け,中方は古沙城(全羅北道古阜),東方は得安城(忠清南道恩津付近),南方は久知下城(全羅南道長城か),西方は刀先城(未詳),北方は熊津城(忠清南道公州)を中心とした地方である。…

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