小乗仏教(読み)しょうじょうぶっきょう

精選版 日本国語大辞典 「小乗仏教」の意味・読み・例文・類語

しょうじょう‐ぶっきょう セウジョウブッケウ【小乗仏教】

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デジタル大辞泉 「小乗仏教」の意味・読み・例文・類語

しょうじょう‐ぶっきょう〔セウジヨウブツケウ〕【小乗仏教】

小乗のこと。呼称としては明治以後、用いられるようになった。

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百科事典マイペディア 「小乗仏教」の意味・わかりやすい解説

小乗仏教【しょうじょうぶっきょう】

小乗とも。大乗仏教に対する。小乗はサンスクリットヒーナヤーナの訳。大乗仏教が成立してから,それまでの部派仏教を,自己一身の救いのみを目ざすものとして,軽んじて呼んだ呼称。上座部および,それからの分派である説一切有部など20部派がある。現在東南アジア一帯の仏教はほとんど小乗で,中国その他には説一切有部系統が残っている。いずれの部派も阿毘達磨(あびだつま)を中心とする比丘(びく)のみによる教団を組織している。
→関連項目説一切有部大衆部大毘婆沙論仏教

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「小乗仏教」の解説

小乗仏教
しょうじょうぶっきょう

サンスクリットのヒーナヤーナの訳語。小さな乗り物の意で大乗仏教の側からの貶称(へんしょう)。釈尊入滅後100年の頃,教団は上座部と大衆部にわかれ,両派はさらに分裂を続けて,紀元前1世紀までに20ほどの分派が生じ部派仏教が成立した。阿含(あごん)経,四分律(しぶんりつ)・五分律などの律典,倶舎論(くしゃろん)・婆沙論(ばしゃろん)などの論書を経論とし,自己の解脱(げだつ)を求めることを特色とした。小乗の信奉者は声聞(しょうもん)・縁覚(えんがく)などとよばれたが,自利・利他ともに掲げる大乗菩薩道の立場からは宗教的に劣位にあるものとみなされた。タイ,ミャンマー,スリランカなどの東南アジアに広まった。日本には鑑真が四分律にもとづく戒律を伝えた。

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世界大百科事典 第2版 「小乗仏教」の意味・わかりやすい解説

しょうじょうぶっきょう【小乗仏教】

仏教の創始者釈迦の滅後約100年して(前3世紀半ばアショーカ王の頃と思われる)仏教教団はしだいに20ほどの部派に分裂し,煩瑣にして壮大な論蔵(アビダルマ(阿毘達磨)abhidharma)を打ち立て論争を行った。この時代の仏教を小乗仏教といい,西洋中世のキリスト教スコラ哲学に比肩される。サンスクリットでヒーナヤーナHīnayāna(〈小さな乗物〉の意)というが,〈小乗〉とは大乗仏教からの貶称であり公平な呼称ではない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小乗仏教」の意味・わかりやすい解説

小乗仏教
しょうじょうぶっきょう
Hīnayāna buddhism

hīnayānaとは「劣った乗物」の意味。釈尊以後,その伝統を比較的そこなわずに継承し,複雑で形式的な「法の研究」を主体とした,部派仏教をいう。いわば民衆の間から起った大乗仏教の側からの軽侮した表現。今日では上座部仏教 Theravāda buddhismとも呼んでいる。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「小乗仏教」の解説

小乗仏教(しょうじょうぶっきょう)

上座(じょうざ)仏教

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小乗仏教」の意味・わかりやすい解説

小乗仏教
しょうじょうぶっきょう

部派仏教

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旺文社世界史事典 三訂版 「小乗仏教」の解説

小乗仏教
しょうじょうぶっきょう

上座部仏教

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世界大百科事典内の小乗仏教の言及

【部派仏教】より

…釈迦および直弟子時代の初期仏教を継承し,大乗仏教と併存・拮抗(きつこう)してインドに栄えた伝統的学派による仏教。新興の大乗仏教側からは,〈小乗仏教〉とけなされたが,正しくは〈部派仏教〉あるいは〈アビダルマ仏教〉と呼ばれるべきである。釈迦滅後100年,すなわちアショーカ王(前3世紀)のころ,仏教教団は保守的な上座部(テーラバーダ)と進歩的な大衆(だいしゆ)部(マハーサンギカ)とに分裂した。…

※「小乗仏教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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