井野長割遺跡(読み)いのながわりいせき

日本歴史地名大系 「井野長割遺跡」の解説

井野長割遺跡
いのながわりいせき

[現在地名]佐倉市井野

印旛いんば沼の西方、標高二七メートルの台地上に位置する。縄文時代後期から晩期にかけての集落遺跡で、環状盛土遺構と呼称する土木工事を思わせる土盛の跡が確認されることから注目されている。盛土は窪地地形を囲むように南北一六〇メートル、東西八〇メートルの規模で行われていた。盛土は二群に分けられ、環状に巡る外盛土と、それに対して単独ないし付随して築かれた内盛土がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「井野長割遺跡」の解説

いのながわりいせき【井野長割遺跡】


千葉県佐倉市井野にある盛り土遺跡。県北部中央に位置し、印旛沼(いんばぬま)から約2.5km南の井野川水系に続く谷に挟まれた、標高約26mの平坦な台地上にある。遺跡を特徴づけるのは縄文時代後・晩期に構築された環状盛り土で、盛り土が古墳のように一つずつ独立して連なっている。現存する盛り土遺構は、外周環状の2基と内側の2基の計4基で、南側の盛り土は最大であり、比高約2.5m、最大長50mになる。遺構内からは住居跡、墓、貯蔵用の穴などが検出、多量の土器石器のほかに石棒や土偶も多く出土した。東北地方の影響を受けた土器も発見されていることなどから、当時の印旛沼南岸地域における中心的なムラの姿を知るうえで重要な遺跡とされる。2005年(平成17)に国の史跡に指定。京成電鉄京成本線ユーカリが丘駅から徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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