六訂版 家庭医学大全科 の解説
亜急性皮膚エリテマトーデス
あきゅうせいひふエリテマトーデス
Subacute cutaneous lupus erythematosus
(皮膚の病気)
どんな病気か
皮膚の症状は欧米では環状連圏状型と丘疹鱗屑型がほぼ同頻度ですが、日本では環状連圏状型が多くみられます。日光過敏性が症例の85%にあり、皮膚症状の発現には日光が関係するとされています。症例の20%にDLE、20%にSLEを合併します。白血球の型のHLAB8、DR3との高い相関が報告されていますが、日本ではこの相関は認められていません。
原因は何か
不明ですが、皮膚症状の発現に人種差が大きいことから遺伝的要因が関係しているようです。発症の誘因として紫外線が関係するとされています。
症状の現れ方
顔面、上肢、体幹に環状から連圏状の紅斑、または丘疹状で鱗屑(皮膚表面の白いかさかさ)を伴う発疹が多発してきます。SLEにみられるほかの皮膚症状や全身症状を伴うことも少なくありません。
検査と診断
特徴的な皮膚症状から診断しますが、シェーグレン症候群などとまぎらわしい場合があります。なるべく早く皮膚科を受診してください。血液検査では抗核抗体のうち、抗SSA抗体が高率に認められます。本症は軽症のSLEに出現する特定の皮膚症状の一分類と理解するとわかりやすいでしょう。
治療の方法
欧米ではキノホルムやクロロキンが使われますが、日本では使えないため、ステロイド薬の内服が第一選択となります。通常は少量でも十分効果的です。
病気に気づいたらどうする
日光を避けて皮膚科を受診し、皮膚の検査(生検)と血液検査を受けてください。
衛藤 光
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報