南北両半球の20度から40度ぐらいの緯度帯にほぼ定常的に存在する高気圧。成因としては、赤道地帯で上昇流、亜熱帯で下降流となる大気大循環規模の垂直循環(大規模な対流)によって、赤道上空から亜熱帯に向かう空気が亜熱帯上空で蓄積、下層の気圧を高めるためと考えられる。主として海洋上に東西に並んで現れるが、その一連の高気圧または気圧の尾根のベルトを亜熱帯高圧帯とよぶ。構造的には背の高い温暖高気圧である。夏季に優勢で、出現緯度も夏季のほうが高い。個々の亜熱帯高気圧は、それが存在する海域により北太平洋高気圧、北大西洋高気圧、また圏内の代表的な島の名前から、小笠原高気圧(おがさわらこうきあつ)、ハワイ高気圧、アゾレス高気圧、バーミューダ高気圧などと名づけられる。日本の盛夏の晴天と暑さは亜熱帯高気圧(小笠原高気圧)によってもたらされる。
[倉嶋 厚]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…海面上の気温の季節変化は大陸に比べて小さいので,年間持続してこの海上の大高気圧ができている。亜熱帯高気圧にも地上2~3kmのところに沈降性の高温で乾燥した気層が現れる。これは貿易風帯の逆転層(温度の鉛直分布がここで逆になるので)とも呼ばれている。…
※「亜熱帯高気圧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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