日本大百科全書(ニッポニカ) 「京セラ」の意味・わかりやすい解説
京セラ(株)
きょうせら
ファイン・セラミックス、電子部品、情報・通信機器の大手企業。ファイン・セラミックス・メーカーとして1959年(昭和34)稲盛和夫(いなもりかずお)(1932―2022)らにより資本金300万円で設立された京都セラミツクが前身。ファイン・セラミックスの積層技術を開発し、「工業素材の革命」の先駆者として1960年代、1970年代で急成長。別会社として設立していた再結晶宝石、医療用材料、電子機器、音響・通信の諸会社を1982年に合併して京セラと改称。1983年にはカメラで知られたヤシカを合併。1984年にはウシオ電機、セコム、ソニーなどと新電電会社、第二電電企画(のちの第二電電。現、KDDI)を設立した。1998年(平成10)には水晶製品メーカーのキンセキに資本参加(2003年完全子会社化)、2000年には複写機メーカーの三田工業(現、京セラドキュメントソリューションズ)をグループに加えた。京セラを含む国内外のグループ会社は299社にも及ぶ。日本におけるいわゆるベンチャー・ビジネスの代表選手といわれている。資本金1157億円、売上高1兆8389億円(2022。連結ベース)。
[森 真澄]
『京セラ40周年社史編纂委員会編纂『果てしない未来への挑戦――京セラ心の経営40年』(2000・京セラ)』