人間万事金世中(読み)にんげんばんじかねのよのなか

精選版 日本国語大辞典 「人間万事金世中」の意味・読み・例文・類語

にんげんばんじかねのよのなか【人間万事金世中】

  1. 歌舞伎脚本。世話物。三幕。河竹黙阿彌作。明治一二年(一八七九東京新富座初演。リットン小説マネー」を翻案脚色したもの。辺見勢左衛門一家は、居候の甥、恵府林之助を厄介者扱いするが、林之助が莫大な財産を相続すると態度を急に変え、娘の婿になってくれと頼む。しかし、林之助は同じく辺見家に居候するお倉の真心を知って彼女と結婚する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人間万事金世中」の意味・わかりやすい解説

人間万事金世中
にんげんばんじかねのよのなか

河竹黙阿弥による歌舞伎の散切物。3幕。 E. G.リットン原作『金』 The Moneyの翻案で,福地桜痴 (源一郎) の訳による。日本最初の翻案劇として,1879年5世尾上菊五郎,9世市川団十郎らの出演により東京新富座で初演され,大当りをとった。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「人間万事金世中」の解説

人間万事金世中
にんげんばんじ かねのよのなか

歌舞伎・浄瑠璃外題
作者
河竹新七(2代) ほか
初演
明治12.2(東京・新富座)

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世界大百科事典(旧版)内の人間万事金世中の言及

【河竹黙阿弥】より

…が,真価はやはり《梅雨小袖昔八丈》(1873),《天衣紛(くもにまごう)上野初花》(1881)などの江戸風世話物にあった。ほかに西南戦争に取材した《西南雲晴朝東風(おきげのくもはろうあさごち)》(1878),現在も上演されるリットン原作の翻案劇《人間万事金世中》(1879)などあり,79年には《ハムレット》の翻案も企てるなど多彩をきわめた。 第4期は引退以後の10余年間で,今日復演される唯一の活歴劇《北条九代名家功》(1884)や,《水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)》(1885),《月梅薫朧夜(つきとうめかおるおぼろよ)》(花井お梅,1888)ほかの散切物,《茨木》(1883),《船弁慶》(1885),《紅葉狩》(1887)などの能取り所作事,《チャリネの曲馬》(1886),《スペンサーの風船乗》(1891)などの洋風所作事を書いた。…

※「人間万事金世中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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