(読み)ソク

デジタル大辞泉 「仄」の意味・読み・例文・類語

そく【仄】[漢字項目]

[音]ソク(漢) [訓]ほのか
かたよる。傾く。「仄日
かたよって。わきから。ほのかに。「仄聞
漢字四声うち、上声・去声入声にっしょうをいう。「仄韻仄声平仄ひょうそく

ほの【×仄】

[接頭]動詞や形容詞などに付いて、かすかに知覚される、わずかに知覚される、などの意を表す。「知る」「暗い」

そく【×仄】

仄韻そくいん」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「仄」の意味・読み・例文・類語

ほの【仄】

  1. 〘 造語要素 〙 動詞や形容詞などの上に付けて、かすかに、また、わずかに知覚されるなどの意を添える。「ほの聞く」「ほの暗い」など。→ほのにほのも
    1. [初出の実例]「ほのうちきりたる朝の露もまだ落ちぬに」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年秋)

そく【仄】

  1. 〘 名詞 〙そくいん(仄韻)」の略。
    1. [初出の実例]「は平か仄か未詳ぞ」(出典史記抄(1477)八)

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普及版 字通 「仄」の読み・字形・画数・意味


4画

[字音] ソク・ショク
[字訓] かたむく・ほのか・いやしい

[説文解字]

[字形] 会意
厂(かん)+人。〔説文〕九下に「側傾なり。人の厂下に在るに從ふ」とあり、人の身をそばめる姿勢をいう。重文の字は(そく)に従っており、それならば声をとる字である。また〔逸周書、周祝解〕に「日の中するや仄す」とする。人影が傾く形は、夜の字の従うところで、日中のことではない。

[訓義]
1. かたむく、そばだつ、身をすくめる。
2. ほのかに、かすかに。
3. いやしい。
4. 側と通じ、かたわら。
5. 四声のうち平声を除き、上・去・入の声をいう。

[古辞書の訓]
名義抄〕仄 イヤシ・カタブク 〔字鏡集〕仄 イヤシ・セマル・ツタナシ・クヤシ・カクス・カタブル・セククマル・コモル・ソバダツ・カクル・カクレ

[声系]
〔説文〕に仄声として昃を収め、日が西方に在り、人影の傾側する意とする。

[語系]
仄・側・・昃tzhikは同声。仄・・昃は人の傾側する形。側は則に従い、則は鼎(略して貝)の側に刀を加えて、鼎銘を刻し、法則とする意。鼎側の意を人に移して傾側の意とする。*語彙は側字条参照。

[熟語]
仄影仄径仄行仄室・仄日・仄声仄席仄道仄微仄媚・仄聞仄歩仄目仄陋
[下接語]
偃仄・危仄・仄・傾仄・蹇仄・反仄・平仄・仄・幽仄

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