今村知商(読み)イマムラチショウ

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

今村知商 いまむら-ともあき

?-1668 江戸時代前期の和算家。
毛利重能(しげよし)にまなぶ。正保(しょうほ)のはじめ陸奥(むつ)平藩(福島県)につかえる。郡奉行となり,承応(じょうおう)元年沢村勝為にかわり小川江の開削を再開した。寛文8年死去。河内(かわち)(大阪府)出身。通称は仁兵衛。著作に「竪亥(じゅがい)録」「日月会合算法」。

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朝日日本歴史人物事典の解説

今村知商

生年:生没年不詳
江戸前期の和算家。河内(大阪府)の人。通称仁兵衛。幼少のころから数学を好み,京都の毛利重能に学ぶ。のち中国数学書により,独学で円の弧・矢・弦・直径の関係「弧矢弦の術」「径矢弦の術」を考案。寛永16(1639)年に当時最高の理論数学書・公式集『竪亥録』を著す。上下2巻で上巻が計算,下巻が図形の構成である。翌年子供向けに歌の形で解法を示した『因帰算歌』を刊行(因は乗法,帰は除法)。天文・暦学の研究書『日月会合算法』(1641)もある。弟子に平賀保秀,安藤有益,隅田江雲がいる。没年は定かではないが,万治3(1660)年に安藤の『竪亥録仮名抄』に跋文を書いている。そろばんを使った生活数学が主流の中で,図形の性質に挑む態度に本格的数学者の姿がうかがわれる。

(佐藤健一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

大辞林 第三版の解説

いまむらちしょう【今村知商】

江戸初期の数学者。河内の人。1639年、数学の公式集「竪亥録じゆがいろく」を出版。生没年未詳。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

今村知商
いまむらちしょう

生没年不詳。江戸初期の数学者。通称は仁兵衛。河内(かわち)国(大阪府)の狛庄の人。吉田光由(みつよし)の『塵劫記(じんごうき)』(1627)に対抗したと思われる、漢文で著された公式集『竪亥録(じゅがいろく)』(1639)を出版した。今村は、吉田光由の師でもある京都の毛利重能(もうりしげよし)に数学を習ったが、それは初歩の段階で、彼は自分自身でくふうして円に関する公式をつくり、それらをまとめて『竪亥録』としたのである。江戸初期の数学は『塵劫記』と『竪亥録』で代表され、礒村吉徳(いそむらよしのり)の『算法闕疑抄(けつぎしょう)』が出版されるまで、この2書が最高の教科書であった。『竪亥録』は江戸で100部印刷された。弟子の安藤有益(ゆうえき)は、この書を解説した『竪亥録仮名抄』を出版した。今村は、『竪亥録』の公式のなかで基本的な問題を短歌にまとめ、『因帰算歌』(1640)を出版している。暦の研究書である『日月会合(じつげつかいごう)算法』(1642)も伝わっている。[下平和夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の今村知商の言及

【竪亥録】より

…1639年(寛永16)刊。著者の今村知商(生没年不詳)は毛利重能の弟子で,毛利の評判を聞いて毛利の塾に入門した。しかし,今村が毛利から教わった内容は直線図形に関する計算であって,円や曲線に関する求積は今村自身がくふうしたことがこの書の序文に見える。…

【和算】より

…円周率は3.16または3.2で,3.16は永く使用された。 毛利重能の弟子に吉田光由(1598‐1672)と今村知商がいる。それぞれりっぱな著書を残している。…

※「今村知商」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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