仏典結集(読み)ぶってんけつじゅう(その他表記)samīti

旺文社世界史事典 三訂版 「仏典結集」の解説

仏典結集
ぶってんけつじゅう
samīti

仏教経典の整理統一事業
古代インドにおいては記録を文字ではなく人々の記憶に頼っていたため,釈迦死後遺法散逸異説の発生を防ぐため,弟子たちが各自の記憶するところを話し合い,仏典を集大成する事業をおこした。これを結集(中国名)という。第1回は仏滅直後,釈迦の侍者アーナンダらが中心となって行った。第2回は仏滅100年後,マガダ国で行われた。第3回はアショーカ王のとき行われ,経・律・論の三蔵をパーリ語で記録した。第4回はカニシカ王のときに行われ,サンスクリット語で記録されたと伝えられる。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仏典結集」の意味・わかりやすい解説

仏典結集
ぶってんけつじゅう

仏教経典の編集。伝説によると釈尊の死後,弟子たちが王舎城に集って釈尊の教えを唱集した。釈尊に常侍した阿難が経典を暗唱,他の者が唱和し,優波離 (うぱり) が律を暗唱,他の者が唱和した。こうして釈尊の教えの記憶を確かめ,その正しい伝承に努めた。これが第1次結集。 100年後に第2次結集を行い,アショーカ王の援助で第3次を,カニシカ王の援助で4次結集を行なったという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android