スリランカの古都キャンディにあり、スリランカ仏教信仰の中心をなす寺。ダラダ・マリガワDaadā Māligāvaの訳。仏牙(ぶつげ)寺とも訳す。王権の象徴である仏陀(ぶっだ)の歯を祀(まつ)るが、この仏歯は4世紀初頭にインドのカリンガ国からもたらされたとされ、アヌラダプーラ以後の歴代王都とともに変遷してきた。現在の仏歯寺はキャンディ王国時代ビマラダンマスーリヤ1世(1592―1640)が創建、キールティ・シュリー・ラージャシンハ王(1747―81)が再建、同王国最後の王シュリー・ビクラマ・ラージャシンハ(1798―1815)が寺の正面の八角堂と湖をつくった。この寺の仏歯を先頭に市内を回り歩くエサラ月(6~7月)の豊饒(ほうじょう)祈願祭エサラ・ペラヘラ(ペラヘラ祭)はスリランカ最大の祭りである。
[渡辺章悟]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…そのもようは,5世紀初めにスリランカを訪れた法顕(ほつけん)の《仏国記》などにも記されている。その後幾多の変遷はあったが,現在この仏歯はスリランカ中南部キャンディの仏歯寺(ダラダ・マリガーワDalada Maligawa)に安置され,これを中心に今も8月になると,10日間にわたって盛大な祭りが繰り広げられる。スリランカではこの祭りをペラヘラ祭Peraheraといい,島で最大の祭りとなっている。…
※「仏歯寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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