精選版 日本国語大辞典 「仕置」の意味・読み・例文・類語
し‐おき【仕置】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「しおく(仕置)」の連用形の名詞化 )
- ① 処置すること。采配(さいはい)すること。また、その手段。特に、国や組織を采配し、取り締まること。
- ② 処罰。処分。成敗。おしおき。
- [初出の実例]「いかがはせん、直江の左衛門をかたくしをきに行はばや」(出典:御伽草子・鶴の翁(岩波文庫所収)(室町末)下)
- 「主ころしともいひつべし、きっと仕置にをこなふべきが。〈略〉じひをもってたすけをく命のかはりにかみをおろし」(出典:浄瑠璃・五十年忌歌念仏(1707)下)
- ③ 子ども、使用人などを、体罰を加えてしかること。また、みせしめのため、懲らしめること。おしおき。
- [初出の実例]「禿の仕置居らせて置」(出典:雑俳・童の的(1754‐75)一)
- ④ 作り方。作る方法。製法。
- [初出の実例]「此弟子、おとなしくなりて、一分見世を出しけるに、親方にかはらず鍋蓋・火燧箱の仕置(シヲキ)、是より外をしらず」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)一)
仕置の語誌
この語は、江戸幕府の法令整備(「公事方御定書」など)が進むなかで、権力による支配のための采配の意から刑罰とその執行の意に移行した。文化元年(一八〇四)以降に順次編集された「御仕置例類集」は幕府の刑事判例集の集大成であるが、それに先立って「御仕置裁許帳」が幕府最初のまとまった刑事判例集として、宝永期(一七〇四‐一一)までに成っていたとみられる。