伊和大神(読み)いわのおおかみ

精選版 日本国語大辞典 「伊和大神」の意味・読み・例文・類語

いわ‐の‐おおかみ‥おほかみ【伊和大神】

  1. 播磨地方の神。伊和氏族にまつられ、大己貴命(おおなむちのみこと)、葦原志許乎命(あしはらのしこおのみこと)と同神ともいう。「播磨風土記」に種々の伝承がみえる。

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改訂新版 世界大百科事典 「伊和大神」の意味・わかりやすい解説

伊和大神 (いわのおおかみ)

播磨国風土記》に記された国作りの神。この神は播磨国宍禾(しさわ)郡伊和村を本拠とする伊和君(いわのきみ)に祭られて,揖保(いいぼ),宍禾,讃容(さよ)などの諸郡に事績を残している。それによると,土地を開拓し,境界を定めて〈クニ〉の基礎を築き,天日槍あめのひぼこ)と軍を起こして戦い,また集団の祭りに欠かせない酒宴の神でもあった。本来,各地方では〈クニ〉の始まりについてのいわれを語るために英雄神を創造した。その神は,〈クニ〉という集団の〈主(ぬし)〉として,領地を占有し鉄製農具と武器を用いて自然や他の共同体に対して挑戦的にたたかった,粗野な族長層を神格化したもので,イワノオオカミはこの地方的な英雄神の典型である。これらの地方の〈クニ〉が,強大な中央の政治勢力に隷属するとき,国作りの英雄神も土着性を失って吸収されることになる。天下の国作りを行ったとされる大国主神はこれらの英雄神を統合化して成立したものであると言える。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊和大神」の解説

伊和大神 いわのおおかみ

「播磨国(はりまのくに)風土記」にみえる神。
播磨(兵庫県)の揖保(いいぼ),讃容(さよ),宍禾(しさわ)の3郡などで信仰された国作りの神。この地方の一族の基礎をつくった族長が神格化されたものとみられ,土着の豪族伊和氏によってまつられたという。のち大国主神と同一化された。

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