低価法(読み)テイカホウ

デジタル大辞泉 「低価法」の意味・読み・例文・類語

ていか‐ほう〔‐ハフ〕【低価法】

財務諸表に記載する資産の評価基準の一。資産の取得原価期末時価を比較し、低い方で評価する。低価法によって簿価を切下げた場合の会計処理として、翌期に評価損を戻し入れる洗替え法と、戻し入れない切放し法がある。→原価法時価会計
[補説]以前は、有価証券棚卸資産の評価基準として原価法と低価法の選択適用が認められていたが、有価証券については、平成12年度(2000)の税制改正により、低価法の適用が廃止された。また、棚卸資産については、会計基準改正により、平成20年度(2008)から低価法に一本化されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「低価法」の意味・わかりやすい解説

低価法
ていかほう

時価主義原価主義とともに棚卸資産の評価方法の一つで,原価と時価を比較し両者のいずれか低いほうを採用する資産評価。時価が原価を下回るときは時価で評価し,逆に原価が時価を下回るときは原価のままとし,評価益計上を排除する。市況悪化などのため,在庫品の売価が原価以下にまで下がっているようなとき,低価主義評価をすることで予見しうる売却損失を商品評価損として事前に認識しようとするねらいがある。税法上も認められ広く行なわれているが,会計理論上は,ある期は原価,ある期は時価となって一貫性を欠き,かつ評価損だけしか認めないという点に理論的根拠がないとされることがある。

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