資産と負債を時価で評価する会計制度。会計情報の機能としては、一般に、おもに株主と債権者との間における利害調整機能と、投資家に対する投資意思決定情報提供機能の二つがあげられるが、後者の機能に着目した場合、企業の現状把握という観点からは、過去の取引時の価格を意味する取得原価を基本とした情報よりも、現在の価格に置き直したいわゆる時価情報のほうが有用であるといわれている。
時価会計の流れは、グローバルスタンダードとして、世界の会計基準においてその適用や収斂(しゅうれん)的導入が行われている国際財務報告基準(IFRS)により確定的となったといえる。日本では、実際上は2001年(平成13)3月期から全面導入されたが、金融商品などは段階的に各会計基準において時価を取り入れた評価の仕組みが導入されてきた。
転売目的有価証券やその他有価証券に対する時価法の適用や、棚卸資産に対する取得原価と時価とを比較して時価が低い場合には時価で評価する方法(低価法)の強制適用、固定資産の収益性(回収可能価額)が低下した場合にはその含み損を減損として計上するいわゆる減損会計の導入などは、同様に時価ベースの評価の適用を指向した基準といえる。
[近田典行]
『田中建二著『時価会計入門――日本基準・米国基準・IASの比較と解説』(1999・中央経済社)』▽『田中建二・弥永真生・米山正樹著『時価会計と減損』第2版(2006・中央経済社)』
(小山明宏 学習院大学教授 / 2007年)
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