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時価会計 じかかいけい

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ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

時価会計

流動資産項目のうち株式や債券、金融派生商品デリバティブ)などの金融商品を時価で評価して損益処理することを指す。時価会計ディスクロージャー制度を充実させるために米国で採用、その後日本でも金融証券市場改革(金融ビッグバン)の一貫として採用されている。銀行や証券会社などの金融機関は1997年度から有価証券取引の時価会計処理ができるようになった。2000年度からは金融機関以外でも時価会計が導入され、2001年度からは持ち合い株など「その他有価証券」も貸借対照表上の時価評価が義務づけられるようになっている。

出典|ASCII.jpデジタル用語辞典
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知恵蔵の解説

時価会計

資産などの価値を評価する際、評価時点での市場価格に基づく価額による考え方時価主義という。過去の価額である取得原価に基づくとする取得原価主義(原価主義)に対する概念。このような資産評価を時価で行う会計制度を、時価会計という。時価主義の場合、例えば決算期の期末の時点で企業の保有資産を時価に換算し、貸借対照表の表示価格を書き換えることになる。そこで取得価額と時価に差額があればその差額をそれぞれの資産ごとに計算し、評価益あるいは評価損として損益計算書に計上しなくてはならない。日本では2001年3月期から、企業会計審議会が提唱した「金融商品に係る会計基準」が適用されて時価会計が導入された。02年3月期からはその対象が持ち合い株のような長期保有の有価証券にも広がり、有価証券を中心とする金融商品の時価評価が強制された。理由として、企業の保有資産のうち金融商品など時価の変動の激しい金融資産の比率が高まり、それらに発生している含み損益が企業経営全体に与える影響が強大になってきたことが挙げられる。時価主義のすぐれた面としては、このように企業の財産状態・債務返済能力を正確に表せる、期間収益・期間費用を同一価格水準で対応させて表示できる、などがある。時価主義は含み益を背景に活動してきた「日本的経営」にとって根底を揺るがすものだったが、国際会計基準浸透の流れの中で根付きつつある。

(小山明宏 学習院大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

じか‐かいけい〔‐クワイケイ〕【時価会計】

企業会計・法人税額の計算などにおいて、所有する金融資産を決算時の市場価格(時価)で評価する会計。直近の評価損益が明確になるため、簿価会計よりも企業の価値を正確に表しているとされる。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
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株式公開用語辞典の解説

時価会計

平成12年1月に日本公認会計士協会より発表された「金融商品会計に関する実務指針」等に基づき、同4月以降に開始される事業年度より、企業会計・法人税額の計算等において、法人の保有する一部の金融商品が時価で評価されることとなった。従来の会計制度では、貸借対照表に計上される資産の額は原則取得原価であった。時価会計においては、その時点での評価が計上されるので、企業自体の把握がより出来るようになった。

出典|株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

時価会計
じかかいけい
mark-to-market accountingmarket value accounting

資産と負債を時価で評価する会計制度。会計情報の機能としては、一般に、おもに株主と債権者との間における利害調整機能と、投資家に対する投資意思決定情報提供機能の二つがあげられるが、後者の機能に着目した場合、企業の現状把握という観点からは、過去の取引時の価格を意味する取得原価を基本とした情報よりも、現在の価格に置き直したいわゆる時価情報のほうが有用であるといわれている。
 時価会計の流れは、グローバルスタンダードとして、世界の会計基準においてその適用や収斂(しゅうれん)的導入が行われている国際財務報告基準(IFRS)により確定的となったといえる。日本では、実際上は2001年(平成13)3月期から全面導入されたが、金融商品などは段階的に各会計基準において時価を取り入れた評価の仕組みが導入されてきた。
 転売目的有価証券やその他有価証券に対する時価法の適用や、棚卸資産に対する取得原価と時価とを比較して時価が低い場合には時価で評価する方法(低価法)の強制適用、固定資産の収益性(回収可能価額)が低下した場合にはその含み損を減損として計上するいわゆる減損会計の導入などは、同様に時価ベースの評価の適用を指向した基準といえる。[近田典行]
『田中建二著『時価会計入門――日本基準・米国基準・IASの比較と解説』(1999・中央経済社) ▽田中建二・弥永真生・米山正樹著『時価会計と減損』第2版(2006・中央経済社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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