日本大百科全書(ニッポニカ) 「住用」の意味・わかりやすい解説
住用
すみよう
鹿児島県南方洋上、大島郡にあった旧村名(住用村(そん))。現在は奄美(あまみ)市の南部を占める。2006年(平成18)笠利(かさり)町、名瀬(なぜ)市と合併し奄美市となった。旧村名は住みよい地であることを願ってつけられた。旧村域は奄美大島南東部を占め、国道58号が北東から南西に横断する。急峻(きゅうしゅん)な山地が多く、山林、原野が村の総面積の80%近くを占め、古くから林業が盛んでパルプ材の生産が多い。農業ではポンカン、タンカン、バナナ、スモモなどの果樹栽培が中心である。住用川、役勝(やくがち)川河口の湿地帯にはマングローブ(オヒルギ、メヒルギ)の群落がみられ、奄美群島国立公園特別保護地区に指定されている。
[田島康弘]