佐原市(読み)サワラシ

デジタル大辞泉 「佐原市」の意味・読み・例文・類語

さわら‐し〔さはら‐〕【佐原市】

佐原

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「佐原市」の解説

佐原市
さわらし

面積:一一九・八八平方キロ

県の北東端、東流する利根川の両岸に位置し、東は香取郡小見川おみがわ町、北東は常陸利根川を境に茨城県行方なめかた潮来いたこ町・牛堀うしぼり町、北西はほぼ横利根川と利根川を境に同県稲敷いなしきあずま村、西は香取郡神崎こうざき町・大栄だいえい町、南は同郡栗源くりもと町に接する。市域北半分は利根川を挟む低湿水田地帯で、北総米穀生産の中心であると同時に、日本の早場米地帯としても有名である。市域の利根川北岸ではかつての香取海の干拓が進み、一方で利根川に国道五一号の水郷すいごう大橋、東関東自動車道の利根川橋、JR鹿島線鉄橋が架設されたが、今も水郷の面影を残している。市域南半分は下総台地の北東辺をなし、北流して利根川に合流する小野おの川・香西かさい川・大須賀おおすか川とその支流の小支谷による水田地帯、および畑地・林・集落などを形成する。現在の佐原市街は中世以来香取神宮の門前町的様相を示し、中世・近世は利根川水運、鉄道開通後は陸上運送手段の拠点としての役割を担った。現在、国道五一号・東関東自動車道・JR鹿島線のほか国道三五六号やJR成田線などの交通網が市域を通っている。なお古代から近世にかけての当市域は香取郡に所属していた。

〔原始―近世〕

当市域の縄文時代の遺跡は約三〇ヵ所で、早期遺跡は大須賀川西岸台地にあり、中期の下小野式土器は小野川両岸に分布、晩期遺跡は少なく、弥生時代のものは発見されていない。古墳時代の遺跡は三十数ヵ所あり、香取神宮周辺・大戸おおと神社周辺・下小野周辺に分布する。香取神宮は古代律令国家による東国経営の水上交通と軍事の拠点としての役割を常陸鹿島神宮とともに担った。鎌倉期には千葉氏の一族が進出し、以後当市域ではそのうちの国分氏が力を振るい、天正一二年(一五八四)頃に国分大膳が矢作やはぎ城からいわさき城を新たに築きこれに移ったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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