静岡県南西部、小笠郡(おがさぐん)にあった旧町名(大須賀町(ちょう))。現在は掛川(かけがわ)市の南西部を占める地域。小笠山南麓(なんろく)に位置し、南は遠州灘(えんしゅうなだ)に面する。旧大須賀町は、1956年(昭和31)横須賀町と大淵(おおぶち)村が合併して改称。2005年(平成17)隣接する大東(だいとう)町とともに掛川市と合併。国道150号が通じる。1578年(天正6)徳川家康の命により大須賀康高(やすたか)がこの地に横須賀城を築城(城跡は国指定史跡)、遠州南部の海岸筋の要衝とした。1682年(天和2)西尾忠成(ただなり)(2万5000石)以来、代々西尾氏の居城となり、横須賀地区は町の中心部として発展、現在小笠山丘陵崖下には商店街が東西に延び、城下町のおもかげを残している。北部の丘陵地は茶園、ミカン園化が進み、海岸付近には温室メロン、イチゴを栽培、工場の進出もみられる。海岸は砂丘が発達し、御前崎遠州灘県立自然公園に含まれる。また、三熊野神社(みくまのじんじゃ)の三社祭礼囃子(ばやし)や、伝統芸能の地固め舞と田遊びは県指定無形民俗文化財。
[川崎文昭]
『『大須賀町誌』(1980・大須賀町)』
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