佐波神社(読み)さばじんじや

日本歴史地名大系 「佐波神社」の解説

佐波神社
さばじんじや

[現在地名]防府市惣社町

多々良たたら山南麓、防府天満宮の東に鎮座する。周防国総社とされた金切かなきり神社に、明治四〇年(一九〇七)付近の浜宮はまのみや神社・国庁こくちよう八幡宮日吉ひえ神社が合併して佐波神社と改称した。祭神は天照大神ほか二三座。旧県社。

金切神社は創建年次は不詳であるが、社伝では仲哀天皇・神功皇后の筑紫行幸の際、沙麼さば浦に船を寄せた時、岡県主祖が魚塩を奉ったが、この折賊軍退治を祈願して天照大神ほか一三柱を祀ったのに始まるとする。のちに金切宮と称し、周防国の総社とされた。なお「注進案」は「尤御社の旧跡は只今之所より凡一町計り辰巳に当りて高畑といふ所に有し時、宮市天満宮初て御神幸之節、御網代車此所に至りて進まず、是道より下に御鎮座故ならんと心づき、神慮を宥め奉ん為、奉幣抔せしかば御車進しとなり、其後御社を今の社地え移し奉しとぞ言伝ふ」と記す。


佐波神社
さわじんじや

[現在地名]西伊豆町仁科

沢田さわだ西部に位置する。祭神は積羽八重事代主神・広幡八幡大神。旧郷社。社伝では神功皇后の三韓出兵の時に祀ったという。「延喜式」神名帳に記載される那賀なか郡佐波神社(二座)、「伊豆国神階帳」に載る「従四位上しての明神」と「従四位上にゐ明神」に比定される。大永七年(一五二七)三月二八日の棟札には「仁科庄本郷総社八幡大菩薩」とみえる。佐波神社と同じ場所に地主神三島大明神が祀られていたが(掛川誌稿)、文政六年(一八二三)合祀されたという(県神社誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の佐波神社の言及

【周防国】より

…738年(天平10)の〈周防国正税帳〉によると,正税198万9200束余,《和名抄》の田積7834町3反269歩。国分寺は国府の西北方に現存し,惣社金切社(佐波神社)は府域西北隅に接して,一宮の玉祖(たまのや)神社は佐波川下流右岸に鎮座する。 山陽官道が内海寄りを縦走し,安芸国から石国(いわくに),野口,周防,生屋(いくのや),平野,勝間,八千(やち),賀宝(かほ)の各駅家を結んで長門国に入った。…

※「佐波神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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