六訂版 家庭医学大全科 「体が冷える」の解説
体が冷える
からだがひえる
Feeling chilled
(お年寄りの病気)
疑われる病気と対処のしかた
人間の体で熱をつくるのは筋肉です。そのため、運動をしない人、肥満体の人は「体の冷え」を訴えます。
病気で「体の冷え」を来すのは、貧血、心不全、甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)です。
貧血と心不全では、体のすみずみに血液を送ることができなくなり、血管(動脈)を収縮させるので体が冷えます。片足だけが冷たくなる閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)は、動脈硬化によって足に行く動脈が狭くなり、結果として足が冷たくなる病気です。
甲状腺ホルモンは体を燃焼させるホルモンで、これが病気で少なくなると活気がなくなり、体が冷えます。うつでも同様の症状となるので、一度病院を受診して診察を受けてください。
糖尿病の人は、長期間の高血糖によって手足の先の神経が障害され、足の裏がしびれたり、冷えたりします。薬で改善することもあるので、病院に相談してください。更年期の女性では、「冷え性」がよく認められます。
冬に「冷えるから」とカイロを携帯して病院を受診する患者さんがよくいますが、たとえ下着の上からでも、長時間同じ場所にカイロを貼っていると低温やけどになるので、注意してください。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報