どうして(読み)ドウシテ

デジタル大辞泉 「どうして」の意味・読み・例文・類語

どう‐して

[副]
方法についての疑問を表す。どのようにして。どうやって。「どうして時間をつぶそうか」
原因理由についての疑問を表す。なぜ。「どうしてそんなにのろいのか」「どうして話を聞かないのだろう」
強い否定の気持ちを表す。決して…ない。…はずがない。「これがどうして黙っていられよう」
前の言葉を、予想外であるという意をこめて強く否定する気持ちを表す。それどころか。「見かけは子供っぽいが、どうしてなかなかしっかりしている」
[感]
感動をこめて強調する気持ちを表す。なんともはや。いやはや。「どうして、大層な人出でした」
強く否定する気持ちを表す。とんでもない。いやいや。「どうしてどうして、私などの及ぶところではない」
[類語](2なぜなんで何故なぜかなぜに

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「どうして」の意味・読み・例文・類語

どう‐して

  1. ( 副詞「どう」に、動詞「する」の連用形「し」、助詞「て」が付いて一語化したもの )
  2. [ 1 ] 〘 副詞 〙
    1. ( 疑問や推量を伴って ) 原因・方法についての疑問を表わす語。
      1. (イ) どうやって。どんなふうに。
        1. [初出の実例]「手をよく紋日を脱れんとする男を、どふしてそなたは又本の物にして其儘紋日を括りつけるぞ」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)五)
      2. (ロ) 何故。どういうわけで。
        1. [初出の実例]「坡言はとうして如張翰、故郷へひっこみたいぞ」(出典:四河入海(17C前)一)
        2. 「守山君は如何(ドウ)してそんなに勉強ができるだらう」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二)
    2. 判断や推測の否定を強調する気持を表わす語。
      1. (イ) ( 反語表現として、または反語を伴って ) どんなわけがあっても…ない。どんなにしても…ない。どんな事があっても…ない。
        1. [初出の実例]「わっちがやうなはかねへ女郎は、どうして御気に入るもんだけれど」(出典:洒落本・美地の蛎殻(1779))
        2. 「どうして女房どころなものか」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初)
      2. (ロ) ( 打消または否定的な意味の語を伴って ) とうてい。それどころか。感動を伴いやすい。
        1. [初出の実例]「何様(ドウ)してあの様な娘子どもは、当時(いまどき)はすくなひヨ」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)一〇)
        2. 「たいそう呑気なやうにきこえるかも知れぬが、どうして腹のなかはなかなかそんなものではなかったことだ」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉三)
  3. [ 2 ] 〘 感動詞 〙 自分の判断や推測を、強調する気持を表わす語。なんともまことに。実際。いやはや。なかなかどうして。
    1. [初出の実例]「血でも吐きゃしないか不知(しら)、と何(ド)うして其間心配といふものは!」(出典:化銀杏(1896)〈泉鏡花〉一三)
    2. 「どうして、相変らず御乱行つづきらしい噂だぜ」(出典:多情仏心(1922‐23)〈里見弴〉半処女)

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