侍天教(読み)ジテンキョウ(その他表記)Sich'ǒndogyo

デジタル大辞泉 「侍天教」の意味・読み・例文・類語

じてん‐きょう〔‐ケウ〕【侍天教】

朝鮮民間信仰天道教東学)の分派で、1856年に崔済愚創始一時衰退したが、1906年に李容九が再興。儒教道教・シャーマニズムの習合したもので、天命を敬い、天道を明らかにし、天主仕えることを教義とし、誠・敬・信の三義を道の体とした。

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精選版 日本国語大辞典 「侍天教」の意味・読み・例文・類語

じてん‐きょう‥ケウ【侍天教】

  1. 〘 名詞 〙 朝鮮の民間信仰。東学・天道教の一分派で、儒教、仏教、道教の習合した宗教。李朝末期、東学第三代教主孫秉熙(そんへいき)が新たに天道教を創始したのに対し、東学を除名された李容九がおこした宗派で、東学正統を名のった。日本の韓国進出に協力し、一時期勢力を伸ばした。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「侍天教」の意味・わかりやすい解説

侍天教
じてんきょう
Sich'ǒndogyo

近代朝鮮の民間信仰。儒教,道教,シャーマニズムの混交した宗教。哲宗7 (1856) 年救世済民を志して,天霊に触れ,天道を授けられた崔済愚 (さいせいぐ) によって創唱された。天命を敬い,天地に従い,天道を明らかにして,天徳を修め,天主に仕え,誠,敬,三義を守るべきことを説く。2世教主崔時亨のとき,政治運動に転化して東学党となり,1894年革新と攘夷を唱えて蜂起したが敗れて壊滅し,李容九の侍天教,孫秉煕 (そんへいき) の天道教に分裂した。

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世界大百科事典(旧版)内の侍天教の言及

【李容九】より

…以後は一貫して日韓合邦論を提唱,《韓日合邦建議書》を国王や要路の人物に提出することもした。05年孫秉熙(へいき)が天道教を創始するとこれに対抗,侍天教を興して東学正統を主張した。【馬渕 貞利】。…

※「侍天教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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