保育ママ(読み)ほいくママ

知恵蔵の解説

保育ママ

共働きや1人親家庭などの事情によって日中保育できない保護者に代わって、主に3歳未満の子どもを家庭で預かる保育者、あるいは保育施設の総称。
保育ママが1人で預かることのできる子どもの数は最大3人で、補助者2人をつけると最大5人までとなる。保育料やサービスの内容などの詳細は市区町村によって異なるが、自宅などの保育の場を提供できることが必須条件となっている。また、「保育ママ」という呼称ながら、男性が従事することも可能。役割面においても必要とされる資格面においても「ベビーシッター」や「乳母」とほぼ同様だが、民間ではなく市区町村が設置している点が「保育ママ」の特徴と言える。
こういった「家庭的保育」自体は、1950年代から東京都や神奈川県で行われていたが、国としての制度化はされていなかった。国をあげて「子育て」「家族」支援が高まる近年、国の補助事業が00年に開始され、10年度には国の制度に格上げされる。
補助事業スタート当初は、「保育ママ」の要件が、保育士か看護師の資格を持っていることという厳しいものだったため、多くの市区町村は国家補助金を利用できなかった。これが保育ママ普及の壁となり、厚労省が想定した利用者数2500人に対し、18年度の保育ママは全国105人、利用した子どもは319人にとどまった。
法制化後は、有資格者に加えて、一定の研修を受け市区町村から認定された育児経験者も保育ママとなれるようになった。現在の保育ママ数は全国に1140人で、昨年度の利用者は2588人。厚労省としては14年までに利用者数を1万9千人に増やす目標を掲げている。
就労の意思や必要性のある子育て世代にとって、都心部を中心とする保育施設不足による待機児童問題などの緩和策となるよう、今後の普及や発展に期待の集まる制度である。

(西村由起子 ライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

保育ママ

保育士や看護師、幼稚園教諭の資格などを持つ家庭的保育者(保育ママ)が自宅などで主に3歳未満の少人数乳幼児を預かる保育制度。保育ママになるには、88時間の認定研修や保育実習の受講が必要(保育士を除く)。2008年11月に改正児童福祉法が国会で成立し、家庭的保育事業として法定化された。横浜市は独自に1960年から保育ママを始めている。

(2010-04-14 朝日新聞 朝刊 神奈川全県 2地方)

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百科事典マイペディアの解説

保育ママ【ほいくママ】

家庭福祉員の通称。市町村長から委託を受けて保育にあたる女性。付近に保育所がないなどの理由から児童を保育所に預けることができない場合に,保護者と契約を結び自宅で児童の保育を行う。1958年,大阪市で乳児保育の不足を補うため民間ボランティアの家庭に保育を委託する制度として発足。主に大都市で普及している。保育ママの条件は市町村によって異なる。

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