家庭的保育(読み)カテイテキホイク

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

市区町村から認可を受けた保育者(家庭的保育者)が,自宅などにおいて行なう保育。家庭的保育者は市区町村により保育ママや家庭福祉員などと呼ばれ,市区町村が一般公募し,保育士などの資格をもつ者や所定研修を受講し保育士と同等以上の知識,技術をもつと認められた者などが認可を受ける。1人の家庭的保育者が保育できる子供の数は 3人までだが,所定の研修を受講して認可される家庭的保育補助者とともに行なう場合は,子供 5人までを保育できる。おもに家庭的保育者の居宅やアパート一室などが保育室として利用され,子供の数に応じた保育室の面積設備に基準が定められている。地方自治体による単独事業としては,1950年に京都府京都市が始めた昼間里親が嚆矢。2000年に国庫補助事業として家庭的保育事業が始まり,2010年児童福祉法に規定された。2015年に国が開始した子ども・子育て支援新制度のなかで地域型保育事業の一つとされ,認可保育所(→保育所)と同様に保護者の所得に応じて保育料が決められることとなった。2015年現在,全国で設置,認可された件数は 931。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

乳幼児を対象とした少人数制の異年齢保育サービスの一つ。児童福祉法に基づき、市町村が実施する地域型保育事業で、対象年齢や事業内容、施設の面積基準などは、地域ごとに異なる。通常、預かり人数は、保育者1人か補助者を加えた2人以上で、おもに3歳未満の乳幼児3~5人までを保育する個人型、保育者3人と補助者をあわせ、9~15人までを預かるグループ型に分けられる。保育者は家庭的保育者とよばれ、保育ママという通称が使われることが多い。原則として保育士、看護師、幼稚園教諭、いずれかの資格を有し、所定の研修を終了した者が市町村の認定を受け、場所は家庭的保育者の自宅か、アパートやマンションなどの一室を借りて行う。家庭的保育者と一緒に保育を行う者は家庭的保育補助者とよばれ、資格は求められないが、所定の研修を受ける必要がある。2015年度(平成27)以降は、子ども・子育て支援新制度で新設された子育て支援員に認定された者が、家庭的保育補助者の役割を担うことができる。

 保護者が就労などで保育できない場合に利用でき、利用条件や保育料は認可保育所と同じである。平日の保育時間は8時間で、延長保育を実施している施設もある。病気中や感染症の回復期などには保育を受けられない。また、昼食やおやつは各家庭で用意して持参することを求める場合が多く、一般の認可保育所とは異なる。

 家庭的保育事業は、もともと産休明け保育や保育所不足を補うため、地方公共団体が独自に実施してきたもので、2000年に国庫補助事業となった。2010年に児童福祉法に位置づけられた保育事業として、指定保育所と連携したバックアップやベテラン保育士の助言などが受けられる体制が整えられた。2015年度より実施された子ども・子育て支援新制度においては、保育施設を新たに設立する場所のない都市部や、子供が減少している地域で重視される地域型保育の一つに指定され、3歳以降の子供を預けられる連携施設が指定されるなどの運用の見直しが行われ、利便性が高められた。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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