…近くに奇岩屛立する竜穴神社があり,祈雨・止雨の神として平安期以降広く信仰されたが,やがてその神宮寺として成立したともいう。賢憬の高弟修円(771‐835)の時代に至って伽藍の基礎が築かれ,修円が創建した興福寺伝法院門徒の高僧などによって漸次伽藍が整備されたらしい。修円は空海の《風信帖》や805年(延暦24)8月の内侍宣にみえる檉生(むろう)禅師その人で,817年(弘仁8)6月に修円をして室生で祈雨せしめてから,竜穴神に祈雨・止雨を祈る祈修が盛行し,単に大和国にとどまらず,天下の聖地として信仰された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」