日本大百科全書(ニッポニカ) 「俺たちに明日はない」の意味・わかりやすい解説
俺たちに明日はない
おれたちにあすはない
Bonnie and Clyde
アメリカ映画。1967年作品。アーサー・ペン監督。アメリカン・ニュー・シネマの到来を告げた記念碑的作品。大不況下の1930年代初頭に実在した銀行強盗のカップル、ボニー・パーカーBonnie Parker(1910―1934)とクライド・バロウClyde Barrow(1909―1934)の最後の数年が、新鮮な感覚と生々しい暴力で描かれる。二人が87発の銃弾を浴びる、超スローモーションのラストシーンが「死の舞踏」とよばれて話題になった。ともに若きジャーナリストだったデビッド・ニューマンDavid Newman(1937―2003)とロバート・ベントンRobert Benton(1932― )の書き下ろし脚本を、主演の一人ウォーレン・ベイティWarren Beatty(1937― )がプロデュース。ハリウッド新世代の監督アーサー・ペンが演出。フェイ・ダナウェイFaye Dunaway(1941― )、ジーン・ハックマンGene Hackman(1930― )ら次代を担う若手俳優の好演もあり、鮮烈な印象を残した。アカデミー助演女優賞(エステル・パーソンズEstelle Parsons、1927― )と撮影賞を受賞。
[宮本高晴]